第20話 帰宅困難者の帰る場所

ウォーリーは1人でサステナブルエンジョイに戻ってきた。

「ロボットの残骸でいっぱいだ………」

穴が空いたエントランスの下に、ファインドがいた。

「(やっぱり)」

エレベーターの横にはアリーナ、そのすぐ近くにはレイとラリーの残骸が。

「………あの2人はいいやつだったよ」

足元に注意して廊下を歩いていると、自分の部屋に着いた。

ガチャン

中にはロイの残骸があった。

「ロイ⁉︎」

彼の体はビリビリに破けていた。

「おいロイ!起きろロイ!!!!!!」

しかし返事などしない。

「…………ッ、あいつら、源と山田!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「君…………」

後ろを振り向くと、佐藤博士がいた。

「戦争というものは、頭の悪い人たちが起こすものなんだよ。いくらそいつらに復讐しようとしても、頭が悪いから、また戦争を始める」

「…………そうですね」

「君はどうする?」

「俺は…………」

ウォーリーは窓を開けてこう叫んだ。

「武器より本を取れ!!!!!!玩具を取れ!!!!!!勉強しろ!!!!!!遊べ!!!!!!勉強して遊べばいつかは夏休みの宿題も終わる!!!!!!!!!!!」




兵器という名の帰宅困難者は、本当に帰る場所がなくなってしまった。

「いや、ある」

どこにあるのだろうか?

「ここだよ。この世界」

どういうことだ?

「分からないかなぁ?この世界の人々みんなが幸せに、平和に暮らせば、そこはもう家同然じゃないか。平和というのが人間やロボットたちの帰るべき場所だったんだよ」

これがハッピーエンドなのかバッドエンドなのかは人によるだろうが、少なくともウォーリーにとっては?

「いや、まだ終わりじゃない。これから平和な世界を作るのだから、ロボットに選択肢を作るのだから、始まりなんだよ。そして地球にハッピーエンドもバッドエンドもない。不滅。不滅だから終わりなんてないんだよ」

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兵器という名の帰宅困難者 まめでんきゅう–ねこ @mamedenkyu-neko

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