第10話 断罪の時ですわ〜
-side エリーゼ-
エリーゼは、拘束され、城に連れて来られてきていた。今は、城のある一室で、国王陛下がいる。
「シュタイン公爵家、そなたら一族は、魔剣を5本、聖剣1本、それに、勇者に聖女を一族のものに入れている。さらに、このことを王国に報告していなかった。これは、明らかに過剰戦力を、隠蔽していたということであり、今日をもって、貴様ら一族を断罪する。」
「明らかに俺らが悪かったですわ〜!」
エリーゼは、アーサーとニーナと共に旅をしていたが、その間にさらに、魔法道具をたくさん手に入れていた。
父親のエドワードも管理が面倒くさくなったので、王家に報告せず、放っておいたのだ。
あれよあれよと言う間に捕まり、なぜか、シュタイン公爵家みんなではなく、なぜか、エリーゼだけ、処刑台に立たされた。
おそらく、ゲームの強制力であろう。
--目の前には断頭台
「んー、んーん、んーーーんん〜!(わたくし、フラグ回避に失敗しまいましたわ〜!)」
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
断頭台から逃げてきたエリーゼ達は、これからのことを話し合う。
「これから、どうしましょうか?お父様達は、他国に亡命して、この国を滅ぼすとおっしゃっていましたけれど。」
「それなら、実は行くあてがあります。」
「なんですの?」
「実は先日倒した魔王城なのですが、あれを我々の住居にするべく、ニーナが整えております。」
「えっ……、えーー!!もう、魔王を倒してしまっていたの?」
「ええ。驚かせたくて黙っていたのです。」
「もう……もう。それでは、また、レベルに差がついてしまうではないの!」
出会ってから、13年、いつの間にか、2人の間には力の差が出来ていた。
エリーゼは、悪役令嬢。ラスボス用のステータスとはいえ、本気を出した勇者と徐々に差がついてしまったのだ。
エリーゼにとっては、嬉しいことなのだが、アーサーと距離が出来るようで、少し寂しさを感じているようだ。
もっとも、アーサーは、エリーゼを守るために、本気を出したのだが。
そんなことを話しながらも、2人が城に着くと、そこは、美しい花で飾り付けられていた。
「わあああ!綺麗!!」
「あ、お嬢様。いらっしゃいましたか。」
聖女である、ニーナが、聖なる光で育てた花はとても神々しい光を放っている。
「私は、しばらく旅に出ますので、あとは、お若い2人でごゆっくり!」
「え……、ええ、ニーナ??もう行ってしまうの?……というか、どこに!?」
「放っておきましょう。お嬢様。」
エリーゼが、ニーナを追いかけようとすると、アーサーがそれを止める。
「止めないで、アーサー!!」
「嫌です。というか、私は、知っておりますから、ニーナがどこに行っているかは。」
「そ、そう……なら良いですわ。」
エリーゼはあからさまにほっとした雰囲気である。
「それよりも、言いたいことがあります。」
「な、なんですの?」
改まった様子で、エリーゼは、アーサーと向き合う。
いつになく、真剣な様子で、こちらを見てくるその眼差しにエリーゼも、思わず身構える。
「一生お守りします。お嬢様。」
「な、なんですの?急に。」
「いえ……、ずっと前から、思っておりましたが、改めて言おうかなと。」
「も、もう……、だったら、もうちょっと、ムードとかあっても良くなくて?」
「それに関しては、後日、もう少ししっかりした形で、行います。」
「そ、それに、魔王も滅ぼしてるなら、敵もほとんど全滅していますわ〜!」
「それでもです。私たちに逆らってくる王族は全滅させますし、魔物も全滅させます。」
「お、おうですわ。色々ツッコミどころはありますが、私、貴方の愛、受け入れましたわ〜!!」
その後、しっかりしたプロポーズを受け入れたエリーゼは、アーサーと一緒に、結婚式を挙げて、幸せに過ごしましたとさ。
「--って、私達が、これから住むところは、魔王城ですの!?まごうことなき、悪役ですわ〜!!」
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-完結-
[あとがき!!」
ここまで、読んでいただきありがとうございました。
まずは、約10ヶ月の間、10話しか連載していないという前代未聞の絶望的な投稿頻度で、読んでいただいた読者の皆様には感謝しかございません。
……他の作品ではもっと頑張ります.
悪役令嬢ものと、恋愛小説?を書くのは初めてで、分からない事も多かったですが、楽しんで頂けていたら、幸いです。(恋愛小説だったら、もうちょっと甘めでも良かったかな?)
もしよろしければ、レビューや、いいね、作者フォロー、別作品を読んでいただけると、励みになります!ありがとうございました!
[完結]その悪役令嬢、近場の孤児院にいた成り上がり系主人公を誘拐する。からのフラグ回避! 西園寺若葉 @book_hobby
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