わたしの中の悪魔

藤村 綾

8月30日

 昨夜抗うつ剤のメイラックスを普段よりも2錠多く飲み眠ったら多少長く睡眠時間が長くなったけれど、その代償はなんといっても朝起きたときのまだ薬が効いていまっせという体の倦怠感と頭の重さである。

 毎夜こんなにたくさんの薬を飲んで大丈夫なのだろうかというほどのそれこそラムネのような感覚で一気にまとめて飲む。20錠ほどだ。精神科に行くと

「じゃあ、追加でこの薬出しておくので飲んでみてください」

 治験のバイトわたし? ってほどの確率で割と目新しい薬がおもしろいほどでてくる。

 精神医療受給者証を持っているので診察も薬もタダなのはいいのだけれど、最後薬をもらうときの量が半端なくエコバックに満タンになるのもまた笑ってしまう。

 わたしの頭の中はいや身体中が抗うつ剤を筆頭に蝕まれているに違いない。


 男は仕事にいく。金はないけれど勃起もしないけれど優しい。優しいだけが取り柄の男。

 わたしは男に嘘ばかりついているというか誰にでも嘘をついている。それでも生きていかなとならない。

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わたしの中の悪魔 藤村 綾 @aya1228

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