ちょっと「融通」きかない「ハーレム」もの、試しに読んでみませんか?

 私はこの手の話が書けないので、研究のために読ませていただいているんですが、一番驚いたのは「作者」の「読者」に対する配慮です。読者が小説を読む時ってだいたい章まで読んで区切りをつけるのですが、この小説には、必ず章の初めに「あらすじ」があって、次回久しぶりに読むときに、思い出すことのできるような配慮がしてあります。そして、最後に必ず、イメージを形作りやすくするキャラクター紹介があって、非常に読みやすい作品になっていると思います。

 物語は、外国から帰国した「彰」の日本へのとまどいと克服。そして、それをとりまく女性たちという感じなのですが、女の子の描写が、生々しくてリアリティがあっていいです。こういう「ハーレム?」ものって、男の都合にあわせて「女性の心理」って変わってくものなんですが、そういう「作品の都合の無理やり感」を感じられないのが、この小説の「すごい」所だと私は思います。

 ということで、ちょっと「融通」のきかない「ハーレム」もの。たまにはどうですか?手に取って読んでみませんか?

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