第06話 水洗場
EPISODE:06
保菌者は名乗り出よ!
僕はウォシュレット依存症だ。無い所でも排便は出来るが、極力、ウォシュレット完備の便器迄、自己を誘導する。
イタリアンレストランでは保菌検査がおこなわれる。食中毒は恐ろしい事態。下手したら死亡者が出ることもあり、保菌者を辿ることで犯人を特定することも出来る。
食中毒が出た時点で、レストランの営業は破綻する。
オーナーでは無く、料理長でもなく、ひとりのアルバイトが店の看板を下ろすきっかけを作ってしまうことも。
レストランは正しい手洗いの方法をレクチャーした後で、清潔過ぎて免疫が下がることも問題である、とも釘を刺された。しかし、先ずは丁寧に両手を指の股や手首も踏まえて洗い、盤石な態勢を作ってからの免疫問題だろう。
正しい手洗いが実践されなければ、「食事を作る場所=厨房」「食事を運ぶ場所=テーブル」「食器を洗う場所=洗い場」に菌が蔓延る事態も。
ウォシュレット大好きっ子くんは免疫がやや下がり気味? それでも、世の中にこれだけウォシュレットが普及しているのに、原点回帰する必要なんてあるだろうか?
僕は今日も淡い水圧を受けながら、みそぎを受けた尻でトイレを後にする。
食中毒。万に一度も起きてはならぬ大惨事。皆で守ろう! 清潔で安全なレストラン。
(……アンチヒーローが正義の味方っぽいことを言ってらあ)
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