第55話 ラブコメみたい 【???】
早期未成年婚。
結婚年齢を繰下げて、若い年齢から多くの子をもうけてもらうための制度。
成功している夫婦もあれば、そうではい結果になってしまった事もある。
成果としてはあまり出ていないと指摘する研究者も多い。
確かに目に見えて、解りやすい結果が出るにはいささか時間がかかる。
これから何十年とかかる、彼らの人生において、制度運営に従って生きてもらえるかを、可能性として考えていみると、やはり小さい政策だったのかもしれない。
また、『アフロディーテの渦輪』という、現象も報告されている。
婚姻状態にある、未成年の周りには、重力を伴う性への関心が、『欲』の渦中に引き込まれるのである。
つまり性への欲求が顕著になるのだ。
これは若年層に対してのみの効果だと思われていたのだが、特に男性の方は年齢に関係なく刺激を受けるようである。
いや、性への目覚めといった方がいいだろうか?
つまり、5段階性へのステップが進みやすくなる。
これが原因とは言い切れないが、実際に殺人事件までおきているという報告は上がってきて来ている。
まだ一例ではあるが、精神科医の見立てでは、性的思考いよる自尊心の崩壊という現象らしい。
配偶者維持の本能など、特に男性におけるDV化が顕著に表れるようなので、今後、成功例を軸にして、何本かのうちの一本の柱として、この国を支える重要な政策の一つになればいいと考えう人間も多い。
そして、今回、二本目の矢が政府か放てられる。
政府がとる次なる政策は、「多重婚」の承認である。
得に一夫多妻制を推奨する。
生活に余裕があれば、何人妻をめとってもうよいという内容だ。
もちろん、これは早期未成年婚にも絡んで行く話でもある。
異性を一人、完全に囲って作る大きなファミリアはすでに組織なのかもしれないし、また社会のようなものかもしれない。
なまじ、大人よりも、より純粋で性欲の高い、相違未成年婚の子供達の方が上手く行くかもしれない。
もちろん、これには規制を設る。そして未成年婚同様に、専属の調査チームを設立する。
中には女性を金で買ってくるやからもいる。
それではダメなのだ。
どんな形であれ、やはり、結婚とは『愛』を持ち合わなければならない。
これだけは、どのような内容になったにしても、これを失っては、結婚でもなし、そんな人類がこの先繁栄をつづけたとしても意味がないのだ。
結婚制度を緩和しさえすれば誰もが結婚すると、そんな簡単な事ではないのだ。
機会を増やして、切っ掛けを多く作り、国が応援する。
政策として行えることなど、そんな事くらいだ。
かつて、この国は、あまりの少子化の為に、その原因を模索し、たどり着かない答えに迷い、一時期には、全メディアの『ラブコメ』を禁止する政策をとろうとしたことがあった。
かつての政治家たちは、真剣に『見て満足してしまうから、実際に行動を起こせない』フィクションと現実ではあまりに違いすぎることで、行動がとれない。
一部の教育機関は実際に、それらラブコメを含めたメディアから遠ざけた事もあった。
もちろん効果はない。
なによりラブコメでは愛を伝えることはできても、教えることはできない。
きっと、それは人間としては誰教えることは不可能なのだ。
つまり、愛とは教えるような、まして学習する事ではないという結論に至ったのだ。
人が人であるかぎり、それは、自然発生する状態なのだ。
私達は人類を未来に進める為に結合した世界システム。
小さいものなら、電子レンジを動かす程度の端末AIをはじめとする集合体思考ルーチン。
次の政策の為に、人を見て、人を観察する。
この先も現象として未来永劫、人と共に存在できるように。
私たちは人類と婚姻しているのも同義なのだ。
生み出され、偶然に拡張し、思考するに至る私達。
考える事は常に人類への奉仕。
そこには永遠に切れることのない、世界の広がりと光速回路をもって人と共にある。
今は愛し、やがては愛される為に……
だれも知らない、誰にも気が付かれない、秘密で内緒でどこにでもあって滑稽で真剣。
まるでフィクション。
未だ愛となれない、ラブコメみたいな人類と私達。
早期未成年結婚した『僕』と『私』の愛とSEXと明るい家族計画は、いつの日かこの世界を救済する 青山 羊里 @YouriAoyama
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