目覚め
後頭部や背中にはフカフカとした感触がある
重い体を起こし周りを見みると目の前にはカーテン
目線を下に移すと白のベットに座っていた
腹部まで毛布が掛かっている。
手首には点滴が刺さっていた。
人の気配がなく大声を出すことにする
「誰かいませんか」
周りに響くように声を出したが誰一人の声もせず
少し待っても何も変化がない
「こんちには」
突然声がした方向に目線を向けると上からベットに落ちてくる少女が見える
伸ばしてる足を避け着地する
「君はあの夜の?」
「覚えてたの?」
「当然」
「そっか」
「一体何のよう?」
「えっとね、あの日の夜に言えなかった事について説明を」
「なるほど」
その少女はベットのフットボール付近に腰掛け座り
話し始める
「私の神器は一つの使命がある」
「それは?」
「私の安全、この神器は絶対に守る。
そのためには未来も曲げるの、何度かあった私が別の選択をすると頭痛がして息苦しかった。
最初は理由は分からなかったでも何度も経験すると理解したの選択をするのがトリガーだと、でも頭痛がなかった時もあったその共通点を見つけた。
それは成功、頭痛がしない選択をした場合どんな戦いにも勝った。
それで分かった」
「つまり僕に伝えようとした事は君に危険が迫る?」
「それか私が守って欲しいものに不利益が生じるからだと思う 」
「なるほどね、なぜ君は僕にそんな話を?」
「貴方はなんとなく優しそうだから 」
「そう言う理由で?」
「珍しいんだよ、私が人に姿を見せるなんて
人なんて信用しないんだよ、焼かれた日から
誰も助けてくれなかった。」
「…、そうかありがとう」
そう言い終わると彼女はどこかに行ってしまった。
カーテンが開き職員らしき人が入ってくる
「博士!」
大声を上げる職員、その後人が次々と部屋に入ってくる。
最後に老人の博士と魂の結合装置を完成させた博士が入ってくる。
老人の博士が安心した表情で
「起きたか、イールズ君。
良かったよ」
「ええ、生きていて良かったです。
博士そう言えば何時間経ちました?」
「すまない。1ヶ月だ」
「んな、じゃあ皆は」
「戦地だ」
「急ぎます、すぐに出発の準備を」
「いや、まだ早いぞ」
「え?」
「目覚めたばかり、テストをする」
「テスト?そんな事をしてる暇は…」
「だが君はまだ力を授かったばかり制御も何の力かも分かっていないのに戦場に立たせることは出来ない」
「ですが」
「急げ急いで皆に追い付くぞ」
「…、分かりました。
テストをお願いします」
研究所の地下に来た壁や天井はコンクリートで覆われている。
そこに入ると博士がマイクでこちらに話しかけてきた。
「テストを始める。
まずは身体能力。
渡した紙に書いてある通りに行動してくれ」
紙に書いてある通りに動く
まずは柔軟をして見るが元々柔らかいので特に変化は無さそうだ。
腕立て伏せこれは3回
状態起こし3回
スクワット3回
だ、だめだ三回しか出来ない息苦しいまるで成長していない。
自分の不甲斐なさに絶望する、実験は失敗だ。
「すみません、実験は…」
「失敗ではない、君は力を授かったでもその力の使い方を知らないだけだ。」
「そうですか、ではどうやったら力を」
「さぁな私は能力者ではない」
その日は帰った
次の日から色々なトレーニングをした瞑想もした。
だが何も起こらない、指に神経を集中させても何もおきない。
何日経ったかも分からず研究所に入ると周りが騒がしかった、不思議に思い研究員に話しかける
「どうしたんですか?」
「実は送られた新兵達が何人か捕虜に」
「!.誰がなったか分かりますか?」
「いや、でも基地に行けば名簿ぐらいなら」
「分かりました」
研究室を出て基地に向かう
途中で疲れ歩いて向かう夕方になる。そしてやっとの事で基地に入る。
兵士達の視線が刺さる、大方言いたいことはわかる
無能力者のクセに兵士になり、実験を受けるそして失敗する。何億もの金を無駄にしてゴミを産み出した男っとそしてそんな言葉も聞こえる。
怪我人が運ばれるのが見える。それを追うとベットで寝ている包帯を巻いた人たちがいた中には瀕死の物も
死んでいるものも何名か
もし実験が成功していればこんなことには
涙をこらえて前に進む、名簿が目にはいり恐る恐る友人の名簿を見る。上から下に次のページ次の次にあるはず、そして次、次、次、つ、
もうめくる紙はない、そこに知っている人の名前はなかった。名簿を落とす、あぁなぜ、なぜ、なぜ。
彼らがいないんだよ、クソ俺のせいで俺が兵士になりたいなんて言わなかったらこんなことには、俺が実験なんて受けなければ、俺以外に適任はいたのに弱い俺が全部…
気づいた時には研究所の地下室で手にはナイフを持っていた、俺が死ねば魂を回収してくれるかな、実験成功してて死んだら全てがもとに戻るとかないかな?
俺が死ぬ…心臓の鼓動早くなり強く感じる。
手が震えるナイフが首に当たり赤い液体が出てくる
奥入れようとしたとたんに声がする
「やめろ」
手を離すナイフが転げ落ちる、聞いたことのない男の声がした、だが周りには誰もいない。
誰だったんだ?
「やっほ」
今度は少女の様な声がしたので振り替えるとそこには
盾の少女がいた
高い声で言ってくる
「自殺やめたんだ」
「…」
「…」
少女はナイフを拾い上げ懐にしまう、顎に手を当て歩き回り、何か思い付いたように
「君のせいで人が傷ついた?死んだ?誘拐された?」
頭を抱える
「そ、そうだよ僕が兵士になりたいなんて言うから
実験に失敗して多くの人が、弱いからだ僕が弱いから守ってもらう事しか出来ない。
自分じゃ何も守れない、希望なんて抱かなきゃ。
君の言う通りだ。僕のせいだね」
「そんなことない、人ってのは失敗するの。
そこから復帰するかが大事だから。
まぁ今は沢山弱音吐いて。」
「…、どうすればいい?
どうしたら」
「力を使う」
「どうやって」
「そうだな、昔は力を使うときは意識したけど
感情が強くなったとき、命の危機と感じたときぐらい
共通してることが腕が熱くなった!」
「熱くなった?」
「うん、神器が出たときはいつも腕が少し熱くなる。
神器を授かったときもそうだった」
少し過去の記憶が流れる
崩れ落ちる瓦礫、目を瞑り頭を抱える
しばらくしても何もなく見上げると女の人が盾を上に向けていた
「大丈夫?」
「お、お母さん」
「ここはもう危ない、逃げよ」
手を捕まれ引っ張られる
木造、石材、土で作られた家々が破壊される
大砲による爆発の風圧、音が広がる。
後ろを振り替えると倒れている人がこちらに手を伸ばしている、泣いている子供の声、叫び声、赤い液体
楽しかった町が、大砲によって消される
「お母さん!、人がまだ」
「走りなさい!貴方だけでも…」
後ろから黒い玉が飛んでくる、なんだろうあ、
目が覚める目の前が赤いなぜだろう
あれ、手が動かない、足も、なんだか体が痛いな
片方の手は動くみたい、手で赤い液体を拭き取ろう
「ダメ、目についてる液体はそのまま貴方を守ってくれるのよ、それに今お母さんお化粧が取れて見せたくないの」
体はぐちゃぐちゃ、お腹に木材が刺さっている
もう動けない。
もっとひどいのはこの子ね…
両足がない、片腕も、頭からは血をこんなに
見せてはダメね、私の姿も見せられない
やるしか
「ねぇ、アンス腕をこっちに出して」
「なんで」
「早く時間がないの、ん」
腕を前に出すとお母さんが手を握っていた
暖かいでも液体のようなものを感じる
「お母さん何してるの?」
「貴方に愛を与えてるの」
「?.なんだか眠い」
「寝てはダメ!」
「なんで?」
「待ってね」
手の中には何かが入るそれは痛みもなく、むしろなんだか、くすぐったい、そして暖かい。
なぜだか分からないが眠気が消えていく
「お母さんwくすぐったいよ」
かぼそい声で言ってきた
「ご、ごめんねお母さん貴方に愛をあげすぎて眠くなっちゃった。
お母さんがもし寝ても絶対にここに出てはダメよ
液体は拭き取っちゃダメ
ダメな事をやっていいのは大きな音が無くなったらよ
分かったわね?」
「う、うん」
「守ってちょうだいあなた」
「?、お母さん誰に言ったの?」
「お父さんに」
「お父さんがいるの?」
「私の近くにはいるけど、貴方の近くにはいない」
「?」
「ごめんなさい、難しかったわね。
ねぇお母さんはもう目を覚まさないかもしれないの」
「な、なんで?」
「すごく眠くて、
私達の子を守りましょ、見守ってあげましょ」
腕が熱くなる
「お母さん今腕が」
「それが、あ、い。
アンス愛してる」
「お母さん!….お母さん?お母さん?お母さん!」
涙が流れるなんで今思い出したの?
「大丈夫?
何か辛いこと思いだした?」
「イールズ、…」
涙を拭い彼の方を向き
「イールズ、力を貰ったときどこか熱くなかった?」
「えっと」
頭を抱え少し考える、どこか熱くなったとこ
実験中、その後どこか…
「あった」
「どこ?」
「えっと、頭?」
「頭が熱くなったの?」
「いや、確かに熱い感じはしたんだけど
頭の中が見えた」
「どんな」
「…….魂!」
「それをイメージそして頭に神経を集中させて」
「わかった」
目を瞑り頭に集中、深呼吸をし魂をイメージ
「いいか、魂を操れさすれば万物を意のままに」
謎の声がして周りを見るとそこには少女一人
「どうしたの?」
「さっき変な声が」
「声?しなかったよ」
「そ、そうか」
万物になる?意味が
記憶が流れる全て知らない物だ、そして最後には死んでいる。
「き、記憶が流れてきた」
「記憶?」
「でも知らない物だ。
中には知っている物もある。
自殺する前にした声、皆最後に博士に会っていた中には手紙を書いてる物もいたが」
「なるほど、あの実験ってたしか魂を結合?
その魂って博士の友人の物でしょ」
「うんそう」
「そこからヒントは」
「特に…ない」
「じゃまずは能力をすぐに使えるように訓練!」
もう一度イメージし集中する
魂が見える、じっとしてるが何も動かない
「魂は見えたここからどうすれば」
「え、私は神器を使うだけで能力者ではないし
てか普通イメージとか集中すれば能力が発動するはず」
「そういえば」
集中先を頭から見えている魂に集中させる
魂を包み込むようにイメージする
全身が見える骨や筋肉、細胞、体の全てが。
目を開ける
「変化があった」
「変化?」
「自分の体の事が詳細にわかった」
「なるほど」
「そこから、わからない。
あ、でも言ってた万物を意のままに」
「万物をいのままに、体の詳細がわかったじゃあ体を変化させてみて?」
「や、やってみる」
見えるのは魂のみだが体の詳細が感覚、魂でわかる
筋肉を大きく、いや待てよ筋肉を大きくせず強く
そう意識すると魂をど変えればいいかわかった、
実行
「できた」
「じゃあやってみて」
ナイフを渡され
「これで何かして」
筋肉を強くした、ナイフの刃を持ち曲げてみると
簡単に折れた。
「ナイフが」
「おお、成功
万物を操作?的なことだよね、じゃあ他の物には?」
「折れたナイフを操作できない?」
「やってみよう」
魂を見てそこから、たしか筋肉を強化したとき頭から腕の筋肉まで何かが流れた、その時の流れの感覚は覚えてる。それを使ってナイフに
!
ナイフの詳細がわかったさらには折れて床に落ちている欠片の詳細もわかる。
それらを繋げるイメージを
ナイフが元に戻る
「うん、わかった。
イールズの能力は魂を操り、変化させる?」
「確かに恐らく?」
「じゃあそれを感覚的にさせるために」
腕が顔に飛んでくる、ギリギリで避ける
腕を引っ込め回転し顔の側面めがけて踵が飛んでくる
後ろに大きく下がり体制を建て直そうとするがしかし
低姿勢で盾を構えてこちらに接近してくる
膝付近に直撃する
「いきなりなにを」
「戦闘訓練だよ、すぐに能力を発動させなきゃ
やられるよ」
少女はナイフを拾い上げナイフを飛ばしてくる目の前(ーに刃が飛んでくる、危機感を感じ。
ナイフが目に当たった瞬間、金属で弾いた音がする
「すご、魂を思い通りに変化させる
少しアドバイス貴方の能力は自由度が高すぎる
それゆえに迷ってしまうことがある。
だから決めておく攻撃にはこれとこれ。
防御はこれとか決めときな
君の能力は有機物を無機質を魂で変化させる」
「なるほど、自由度が高すぎて弱点になるのか」
盾が飛んでくる、上半身を後ろに倒し回避し
元に戻すと、すでに目の前には腕が飛んできた
回避は不可能だったら硬化
「かった、さぁここからどんどんスピードあげておくよ」
バランスを崩すために足を横に降ってくる
バランスを崩し背中を膝で押されるそのあと踵を上げ自分にめがけて踵が落ちてくる
突然体が横に動く
「?突然動いた、自分の体を移動させたのか」
「みたいだ」
「このままじゃ時間が掛かる、よし一番効率のいい方法でやろ、そうすれば感覚で能力を使えるよいになる。つまり直感で魂を自由自在に扱える」
少女は部屋を出ていく
「効率的なやりかた?」
数分程度立ち尽くしていると道具を運んで床に置いていく。
「そ、それは」
「ナイフに銃、爆弾だよ」
「それをどうする?」
「貴方にぶつける」
刃物が素早く飛んでくる
硬化や体がスライドする、さらには盾が飛んでくるとすり抜ける
少女は手を止め長さ85cmくらいの剣を選びこちらに向けてくる
「嘘でしょ?」
「大丈夫、防御と回避と攻撃をしてくれるかな」
回転し首に元に刃が飛んでくる
刃は首の中に入ってくるが痛みすら何も感じないすり抜けている、腕を掴み拳を降る。
だがその拳は少女に届くことはない
「本気で殴らなきゃ意味ないよ、本気でも届かないけど」
腕に向かって剣が振り落とされる、だが腕が無くなることはなく腕が剣に当たり火花を散らす。
その剣を素手で掴み、イメージし硬化させ筋力を上げ鋼の刃を破壊する、
握り潰した手をそのまま相手の顔をめがけて
「ごめん、殴るよ」
顔に当たらない円盤型の物に阻まれる
「これが私を守ってくれてるの、さっきは弱すぎて魔方陣すら出なかったけど。
それに自分の意思で少しだけ能力使えてきてるね
そろそろ戦地に行っても問題ないね」
「ホントに?いじゃ行かなきゃ」
「どうやって?貴方は国からしたら大事なサンプル
もし仲間を助けたいなら国は信用しないほうがいいよ
国と貴方の正義は別だよ」
国は期待するな、だったら一人で乗り込むしか。
力を使って。
数秒目を瞑り羽を生やし、透明化。
「これなら」
「その羽に透明化、ばれることもない
最速で迎える、はいこれ」
少女は紙を渡してきた、中身を見ると地図だ
「これで向かって、最短で1日かな」
「そんなに」
「力を使えるようになるまで一週間だよ?」
「そんなに?」
「そんな暇はないでしょ、
行って」
「わかった、色々ありがとう」
研究室を出ていき戦地に向かう
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