あんたいとる!-untitled!- 5

不知火ふちか

Act:72『先輩の人でなし!』

?「……どうしよう」

 (自動ドアが開かない……)

悠「あれ? 忍ちゃん?」

忍「!」

悠「やっぱり忍ちゃんだ! どうしたのこんなところで」

忍「あ、えと……じ、自動ドアが……」

悠「え?」

  ウィーン

忍「あ、開いた……」


――――――――――


悠「忍ちゃんはおにぎりの具何が好き?」

忍「おかかかな」

悠「おかか美味しいよね~」

智「……」

悠「智ちゃんは?」

智「……私です? 鮭です」

悠「鮭もいいよね~美味しい」

智(独り言言ってるのかと思ったです)


忍「智」

智「……」

忍「と、智?」

智「……」

悠「智ちゃん、忍ちゃん声かけてるよ~」

智「え、なんです?」

忍「あ……なんでもない」


・ ・ ・ ・ ・


悠「時々忍ちゃんが見えなくなる?」

智「そうです。さっきもそうだったです」

悠「うーん、私はそんなことないけどなぁ」

智「マジです?」

悠「うん。ね、忍ちゃん」

智「いたです!?」

忍「……」こくり


忍「悠、私存在感無いから、結構そういうことあるの」

悠「ええ、そんなことないと思うけど」

忍「ゆ、悠だけが、私のことずっと見えてるから……」

智(また見失ったです。乳袋が向いてる方向にいるっぽいです)

忍「この前もほら、自動ドア開かなかったし」

悠「あれはきっと故障だよ!」

忍「悠が来たらすぐ開いたから、故障じゃない」

悠「なんでー!? パニックパニック……」


――――――――――


悠「先輩!」

蛍「ん、悠、どうした?」

悠 ササッ

蛍「?」

忍「……」

悠「見えますよね?」

蛍「……な、なにが?」

悠 がーん


唯「おや、悠さん」

悠「唯先輩~! ここに私の友達がいるんですけど、見えますか?」

唯「友達?」

忍「……」

唯「……いやあ、見えないかな」

悠「ゆ、唯先輩まで……!」

唯「……」にこっ

忍「!」

 (今、目が合って笑ったような……)


悠「先輩の人でなし!」

蛍「うぇ!? なんでだよ!」

唯「彼には見えてないんだね」

忍「え……そうみたいです」

唯「ふふ、先ほどは嘘をついてしまってすまないね」

忍「……み、見えるんですか?」

悠「先輩の巨根!」

蛍「もう何がなんだかわからねえ!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る