Act:74『大きなあくびだね』

唯「だから、この公式を当てはめれば解けるよ」

桜「ふむふむ」

唯「……で、こうなるんだ」

桜「あ~なるほど」

唯 ぴくっ

桜「?」

唯「ううん、なんでもないよ」


唯「文法のせいで間違えやすくなってるけれど、引っ掛け問題だから気を付けて」

蛍「あ~……」

唯 わくわく

蛍「そういうことか」

唯「残念」

蛍「何がだよ」

唯「せっかくのア〇ルチャンスだったのに」

蛍「最低最悪のチャンスだな」


皇「ん、目が乾燥しているな」ごしごし

妃「あんまり擦らないの、はい目薬」

皇「うむ。帝!」

帝「ああ」

妃「……」

 ぴちょん

皇「うう、沁みるな」

妃「なんでそんなナチュラルに目薬さしてもらってんのよ」

皇「自分でさせないからだ! また頼むぞ帝」

帝「お安い御用さ」

妃「ほんとガキ」


悠「いや~忍ちゃん凄かったね」

忍「そ、そうかな……」

蛍「何があったんだ?」

悠「先輩! 聞いてください! 今日忍ちゃん学校で迷子になっちゃって」

蛍「ああ、うち広いからな」

悠「そのせいで教室に来るの遅れちゃったんですけど」

蛍「おお」

悠「先生に気づかれなかったんです! 普通に入ってきたのに!」

忍「……」

蛍「あー……それは凄いな」

悠「尊敬しちゃうな~」

蛍「ま、まあ本人は悪気無いと思うから、な?」

忍「は、はい……」


唯「じゃんけんしよう」

蛍「急だな」

唯「負けたら性奴隷」

蛍「重すぎるだろ」

唯「勝ったら性主人」

蛍「聞いたことねえよ!」

唯「ほう、性奴隷は知っていると」

蛍「あんまりそんな言葉を連発するな!」


蛍「ふわぁ~あ」

唯「大きなあくびだね」

蛍「ちょっと眠いな」

唯「ふふっ、……ふぁ……」

蛍「ん」

唯「ん……うつっちゃった」

蛍「……」

唯「どうしたんだい?」

蛍「なんでもない」

唯「?」


桜「唯さんってあんまり隙を見せないよね」

蛍「え?」

桜「勉強もできるし、ずっと笑顔で素敵だし、細いし……」

蛍「……」

桜「細いし……」

蛍「さ、桜?」

桜「あ、ううん、なんでもない!」


桜「とにかく、完璧って感じ」

蛍(そういうイメージなのか)

桜「気が緩んでるとことか見たことないかも」

蛍「……そうか?」

桜「うん。あくびとかしてるとこ見たことないかも」

蛍「……そうか」

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