恋の水際対策

@ramia294

 

 僕の恋の数。

 失恋の数と。

 イコール。


 モテナイ僕。

 苦手な…恋。


 しかし…。

 憧れる。

 両想い。


 僕の両想い…さん。


 いつ頃僕を、

 訪ねてくれますか?

 

 失恋ばかりでは、

 さすがに、疲れてしまう。

 僕の心。

 と、涙。


 思いつく僕。

 恋の数=失恋の数。

 それなら、恋をしなければ、

 僕の

 涙と心。

 ゆっくり休めます。


 始めましょう。

 恋の、

 失恋の、

 痛みから、

 僕自身を守る。


 恋の水際対策。


 水際対策?


 出会いの瞬間が、大切。

 惚れっぽい僕。

 ひと目惚れと失恋の数もイコール。

 恋に落ちない様に、

 失恋フィルターを作りましょう。


 出会いがしらの恋…の相手に失恋。

 避けましょう。


 恋をすると。

 胸が熱くなります。

 失恋をすると、

 胸が痛くなります。


 これはきっと。

 病気?

 感染症?


 僕の惚れっぽい思い?

 気持ち?

 あの女性ひとに、

 いだいた僕のドキドキ。


 恋の病の第一症状。

 感染の初期症状。

 

 失恋への…

 第一歩。

 恋は、ウイルス性疾患?


 僕は、感染しやすい。

 恋の…、

 ウイルス。


 いつ頃、免疫。

 出来ますか?


 感染した僕。

 胸の中。

 発熱。


 少しずつ。

 高くなっていく、胸の発熱。


 ウイルスさん。

 侵入するときは、ノックをどうぞ。


 呼吸。

 空気と一緒に

 僕の胸に、侵入する、

 恋のウイルスの小さな姿。

 に、抵抗する僕の弱々しい免疫機能。


 僕の胸の闇に、マッチ一本分の光と温もりを与えてくれる。 

 恋の感染症。

 胸に灯る光。

 と、温もり。

 恋の病の第二症状。  


 マッチの数。

 夜の数だけ、増えていき。

 少しずつ貯まっていく、胸の中の、

 発熱。



 恋に変わるのは、僕の胸の中。

 の、温度。

 何度になった時ですか? 


 失恋すると、

 胸の中の発熱。

 消えてしまうから、心が凍えるのでしょうか?

 胸の中の発熱。

 くすぶり続けてしまうから、胸が疼くのでしょうか?


 失恋の元。

 恋のウイルス。

 厄介な、

 ウイルス。

 後遺症まで、危険な…

 恋のウイルス。


 対抗する僕の失恋フィルターマスク。


 失恋の

 恋の

 ウイルスの

 侵入防ぐ。 

            

 僕の発明。

 失恋フィルターマスク。


 確かな効果。

 あります。

 

 僕の心

 平穏に

 過ごす、日々。

 続きます。


 その日。

 駅を走る僕

 落ちる帽子

 拾う君

 声をかける君

 届けてくれる僕の帽子

 笑顔の眩しい

 君の僕を見る視線。


 思わず

 口元に手が。

 大丈夫です。

 失恋フィルターマスク、

 確認。


「ありがとうございます」


 お礼を君に。

 甘くて、香ばしいコーヒーは、如何いかが?

 君を包み込む。

 お店の黒い椅子。

 心地良い、お店の黒い椅子。


「よくお見かけします」


 彼女もいつもこの駅で。

 僕を見かけるそうです。


 翌日も、二人は挨拶。

 今日も、

 あのコーヒーは、如何です?

 君と飲むコーヒー。

 チョコレートの様に

 甘く香る、不思議。


 彼女は、ショートボブ。

 クリクリお目々。

 とっても可愛い、

 失恋の元。


 でも、今の僕は、

 平気です。

 失恋フィルターのおかげで、

 僕は、気楽におしゃべりします。

 ふたりの間に、恋のイタズラは、入り込めません。

 僕たちに、悲しい結末は、訪れません。

 

 コーヒーには、ショートケーキ。

 可愛いイチゴは、可愛い君に。


 仲良くなる僕たち。

 海辺で、

 映画館で、

 レストランで、

 あのコーヒー店で、

 花咲く。

 君の笑顔。


 気がつけば、君を想う僕。

 これは、恋?

 僕の喜びは、君と共に。

 これは、恋?

 君に会う時を待ちわびる、

 僕の時計。


 そんなはずは、ありません。

 失恋フィルター。

 マスクは、必ずつけています。


 失恋フィルター。

 失敗作だったのでしょうか?

 

 彼女と会えなくなる時が…。

 失恋の数、増えるときが…。

 迫っているのでしょうか?


 翌日のコーヒー店。

 甘く、香ばしく香り。

 あの椅子。

 目の前の君。


 僕は、失恋フィルター。

 説明しました。

 失敗だった僕の発明。

 油断した僕。

 すでに、手遅れ。


 君に失恋が、決まったようです。


 君は、あきれ。

 ビー玉が、コップからこぼれる様に、笑いました。


「きっと失敗作ではないと思う」


 彼女は、真顔になり。


「そのフイルター。叶う恋のウイルスは、止めないのよね」


 僕の胸の発熱。

 初めての…。


 両思いの温度まで、

 上昇。

        (~ ̄³ ̄)~



 

        

          

 



 

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