第28話 リアコなアイドルのこのラスト、あなたは、どう思いますか?尊い推しは、誰のもの?本当に本当のアイドルって、何?さあ、考えよう。

 モモカさんの声が、はっきりと、聞こえてきた気がした。

 「レイカさん?私のラストステージ、きてくれたんですね?ありがとう…」

 そうしたら、私の目が、軽くなれた気がした。

 良い感じに、なってきたんだ…。

 モモカ、モモカ!

 モモカさんと、目が合った気がした。

 「レイカさん?あのアイドルオーディションは、無駄では、なかったんですね。私たちは、リアルを知ることができました。私たち…。本物のアイドルの夢、叶えられたかもしれませんね!」

 遠くからでも、聞こえる。

 そして、見える。

 モモカさんが、踊っているんだ。

 きて…、良かったな。

 「ありがとう…、モモカさん」

 モモカさんの、ラストステージ。

 「モモカ、さん…」

 私の目から、涙が、こぼれ落ちた。

 そうしたら、また、目が、元気になれた気がしてきた。

 「…レイカさん?これからは、あなたを、手伝いたいな。目が疲れちゃった人たちを、支えてあげたい」

 …え?

 空耳、ですか?

 モモカ、モモカ!

 モモカ、モモカ!

 声が、夢幻のように、重なり合っていく!

 モモカ、モモカ!

 モモカ、モモカ!

 たくさんのことを、知った。大人な女性になるのも、社会で生きていくのも、厳しいことだらけ。

 「リアコって、何なんだろう…」

 「どうしたの、レイカ?」

 「何でもない」

 本物のアイドルは、たくさんの厳しさをわかってこそ、生まれる命なんだろうな。

 きっと。





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レイカでリアコなアイドルオーディション[後編]~結末のリアルを、どう、考える?本物のアイドルって、何だろう?~ @maetaka @maetaka1998

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