第27話 次回で、ラスト。あの人との再会が呼んだ、奇跡。オーディションのライバルは、本当の友だったらしい。アイドルとは何か、真剣に考えたい!

 積み上げた涙は、裏切らない。

 モモカ、モモカ!

 モモカさんは、きれいだな。

 「努力ができる女性は、美しい」

 モモカさんは、努力、してきたんだもんなあ。

 「…ねえ、お母さん?」

 モモカ、モモカ!

 「お母さん?点字アイドルっていうのがいたって、良いと、思わない?」

 モモカ、モモカ!

 「…何か、言った?聞こえないのよ!」

 モモカ、モモカ!

 モモカさんは、本当に、輝いていた。

 モモカさん…。

 本当に、心の底から、モモカさんのことが嫌いだったのなら、オーディションのあの日に、私たちは、口も聞かなかったはずだ。

 お互い、関係を絶ってしまっても、良かった。

 けれど…。

 それが、私たちには、できなかった。

 だからなのか…。

 私たちは、また、出会えた。

 疲れちゃった私の目は、アイドルを知るきっかけを見せてくれたのかなあ。

 …アイドルも、グンマー帝国も、皆、皆、異世界級だ。

 「あ…」

 私の目は、さらに、調子良くなってきた。

 モモカ、モモカ!

 「レイカ?」

 「何、お母さん?」

 「アメ、なめる?」

 「そこ、うるさいんですけれど!」

 アイドルの、贈り物…。

 「友達から、元気をもらいました。会社から、内定をもらいました!元気を、もらいました!」

 そういうの、簡単に言う人がいる。

 「元気を、もらいました!か…」

 そういう人ほど、何が元気なのか、きっと、迷っている。それで、元気が出たと言って、自身を、納得させようとしているんだろうな。

 誰かに何かをもらえるのがが当たり前だと感じちゃう人に、多い。

 ちょっとでもかまってもらえなかったりすると、孤独が生まれてしまう人。

 「お父さん、お母さん!」

 「じいじ、ばあば!」

 大学生になっても言う、男子。それって、過保護で、心が孤独になっているから出る言葉、なんじゃないかな?

 「ほら、レイカ?」

 「うん」

 ライトが、きらめいて。

 プロジェクションマッピングのような照明仕掛けも、作られていて。

 いくつもの思いに反射して、キラキラして。

 キラキラと、して…。

 モモカ、モモカ!

 「モモカさんは、たくさんのことを、教えてくれた気がする」

 こんな結末に、なるとは!




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