タイトルの『ふちどり』が読後なんともいえない感情をもたらします。

夫に「行かないで」と泣くのを近所の人にでも目撃されたら「非国民」と責められるだろうに、それでも言わずにはいられなかった妻の気持ち。

世情が違っても根底にある気持ちは変わらないのだと、普遍的なものを感じます。

どんな大義名分がかかげられようと「戦争は悪」であり不幸しか生まない。

そんなことを考えさせられる作品でした。