アルゴスの瞳

猫パンチ三世

アルゴスの瞳

 鉛色の空から白い冷たさが降る季節、黒いコートを着た青年は人混みの中を一人歩いていた。

 肌に触れる空気は驚くほど冷たく、青年は体を小さく震わせる。

 街はいつもと変わらず、平和で退屈なままだ。

 歩いている人間は誰も彼もつまらなそうで、陰気臭くて、ぬるま湯にどっぷりつかった馬鹿みたいな顔をしていた。

 

『アルゴス1、そっちの状況はどうなってる?』


 青年の無線から声が流れる。


「対象を追跡中、まだ動きはありません」


『了解、そのまま追跡を続けろ』


「了解」


 無機質な通信を終え、アルゴス1と呼ばれた青年は弱めていた足の速度を戻した。

 彼は前を歩くスーツの男を追う、胸の中にはやりきれない気持ちが渦巻いている。


 十年前、人類は恐ろしい怪物を見つけてしまった。

 アメリカ・ニュージャージー州のとある作業現場で怪我人多数、死亡者三名という痛ましい鉄骨落下事故が発生した。その際に死亡した男性作業員の死体の内、二体は家族の元へ帰った。


 だがテネシー・ベルガーという男の死体だけは、損壊が激しく家族の元へ戻ったのは誰かも分からない肉の塊だった。

 このとき彼の家族の元へ戻ったのが、テネシーの服を着せた本当にただの肉の塊だとは誰も気づかなかった。


 なぜ彼の死体が正しく家族の元へ戻らなかったのか? 

 戻せるはずがない、死んだテネシーはテネシーでは無かったのだから。

 死んだのは、テネシーの皮を被った何かだった。


 ミステイカー……『間違えた者』と名付けられた怪物は人を殺し、その皮を被って擬態する。

 その擬態性能は非常に高く、外見はもちろんの事どういった方法かは不明だが記憶までも完全にコピーする。小さな仕草、言葉遣い、本人ですら無自覚な癖まで完全に真似るため親しい仲であっても判別する事は難しい。


 だがその完璧ともいえる擬態を、見破ることの出来る人間がいた。


『アルゴス1、対象との距離が近いぞ。無理な接近はするな、一定の距離を保て』


「問題ありません、もっと近づいて見ないと……」


『まだその時ではない。対象が攻撃形態に変化した場合、君には戦う術がない事を忘れたのか?』


「いえ……」


『指示に従えアルゴス1、君の仕事は戦闘ではないはずだ』


「……了解」


 青年は顔をしかめてスーツの男から距離を取る、自分と周囲に対する不満は先ほどよりも大きくなった。

 青年は両親と妹を、七年前ミステイカーに殺されていた。


 それからずっと青年はミステイカーを殺すために生きてきた、他に身寄りのなかった彼は軍部に身を寄せ、訓練を積んだ。

 五年間の訓練は想像を絶するものだったが、青年は家族を奪った化け物への復讐心が彼を支えた。

 

『よお、調子どうだい。こっちはいつでも準備できてるぜ?』


 彼の無線機から、おどけた声が流れ出した。

 青年はふぅ、とため息を吐く。


「対象を追跡中、もう少し人気の無い所に移動したら接近してみます」


『頼んだぜ、お前がいないと俺らの仕事が始まらないからな。じゃ、気をつけて』


「……了解」


 余計なお世話だ、その一言を青年は飲み込む。

 連絡を寄こしたのは青年の所属する対ミステイカー戦闘部隊、アルゴスα隊長デレクス・ギルバート。

 部隊長の中では一番若いが、戦闘に関してのセンスは他のベテランに引けを取らない才能がある。

 青年はデレクスの事が苦手だった。おどけた態度、軽い物言い、とてもではないが死地に挑む態度には思えない。


 いや、それだけではない。青年は彼が妬ましかったのだ。

 ミステイカーは普段うまく人間に擬態しているが、その正体がばれた途端に皮を脱ぎ攻撃形態に体を作り変える。


 攻撃形態のミステイカーとの戦闘力は凄まじい、二メートルを超える体に両手両足に生えた鋭い鍵爪と口に生えた鉈のような牙、それらをもった怪物が高速で襲ってくるのだ。

 並の人間はもちろん、ある程度訓練を積んだ警察官や軍人ですら即殺されてしまう事が多かった。


 更に怪物はその鍵爪で壁や天井を這いまわり、飛び回るため対処する部隊は多次元的な戦闘スキルを要求される。加えてミステイカーには近接戦闘に長けたタイプや、遠距離攻撃のできるタイプなどが確認されており、それらに合わせた臨機応変な対応力、的確な判断力、冷静さ、高い身体能力などが高いレベルで求められる。

 

 そしてそれらの要素は、訓練や経験である程度は伸ばす事ができる。だが才ある者と才無き者の差は、どうやっても埋まらない。


 対ミステイカー戦闘部隊、通称アルゴス部隊はその才ある者で構成されている。

 そしてデレクスはそのうちの一つ、アルゴスα部隊長を三十二歳という若さで任せられている、側の人間だった。


 青年も本当は戦闘部隊員として戦いたかった、だが彼には才能が無かった。

 訓練は積んだ、誰よりも。

 だが無意味だった。

 才ある者は、青年が一を得る間に三を、五を得る間に十を。その差はどうあがいても埋まらない。

 彼には戦闘員の座を諦める、という選択肢しか残っていなかった。


 前を歩くスーツの男は道の端によけて、スマホをいじりだした。

 青年も足を止め、さりげなく道の端により男を見る。


 男はスマホをつまらなそうにいじっていたが、突然ぱっと顔を上げる。

 その視線の先には、白いコートを身に着け赤いバックをぶら下げた若い女性がいた。

 やや端正な顔立ちの女性は、茶色の髪をなびかせながら道を歩いていく。

 男は、その後を追いかけるように歩き出した。


 獲物を狙う化け物の目、青年は仕事柄なんどもその目を見た事がある。


「隊長……こちらアルゴス1、対象が恐らく当たりをつけました。もっと近づいてみます」


『分かった、化け物かどうかはっきりしたら改めて連絡くれ。間違っても間違えんなよ~? 色々と後がめんどうだからな』


「了解」


 青年は通信を切るかどうかのタイミングで、小さく舌打ちをした。


 スーツの男はしばらくは女性の後ろを歩いているだけだったが、人通りが減った高架下で一気にその距離を詰めた。

 女性は自分のすぐ後ろにまで来た男に気付き、悲鳴をあげようとしたがその声が周囲に響く事は無い。

 女性の目は夢を見ているようなぼんやりとしたものに変わり、違和感なく男と連れだって歩き出した。


 二人はそのまま高架下のフェンスに囲まれた敷地へと入っていく、青年は気づかれるギリギリまで距離を詰め、一度まばたきをしてから改めて男を見た。

 男の身体からは、赤いモヤのようなものが立ち上っていた。


「こちらアルゴス1、対象をミステイカーと断定。攻撃形態は近接タイプ現在地はDー47の高架下です」


『分かった、すぐに向かう。付近に人影は?』


「ありません。ただ……女性が一人」


『……俺が隊長として言えるのは、一つだ。分かるな?』


「……現状位置で待機します」


『良い子だ。十分で着く、それまでは絶対に動くなよ』


 通信を切り、青年はコンクリートの柱の陰から二人の様子を伺う。

 虚ろな目をした女性、その前に立ったスーツの男の背中が縦に裂ける。そこから汚らしい茶色い腕が、糸を引きながら現れた。

 茶色く深いシワが刻まれたミイラのような手、その先には見覚えのある鋭い鍵爪が生えていた。


 これから女性の身体は引き裂かれ、欠片も残さずに食べられてしまう。

 それを知っていながら、青年は動く事ができない。

 恐怖からではない、彼には何もできないのだ。


 青年に戦闘の才は無かった。

 だが別の、戦闘部隊員にはない彼だけが持つ才があった。


 アルゴスの瞳、彼の……正確には彼らの瞳はそう呼ばれる。

 彼らは一定の距離まで近づいた人間の身体から出るモヤ、のようなものを見る事ができる。

 普通の人間であれば白のモヤが身体から出ているが、そうではないもの、つまりミステイカーが擬態した人間の身体からは、色付きのモヤが立つ。

 青や赤など数種類の色があり、今回は赤のもや……近接戦闘に長けたタイプのミステイカーだという事が分かった。


 この瞳を持つということ、それが青年がアルゴス部隊に身を置くことのできる唯一の理由だった。

 擬態を見破る瞳、聞こえは良く希少な能力のように思えるが実際はそこまで珍しいものではない。

 元々は偶発性視覚異常という疾患でしかなく、その患者数も世界的に見ればかなりの人数がおり、見破る精度に若干の差はあれど、ほとんどがすぐにでも部隊の目として働ける。

  

 青年の仕事はすでに終わっている、後はデレクスたちを待つだけだ。

 彼にできることはもうない、唯一の取り柄である見る作業が終わってしまったのだ。

 だから彼にできる事は待つ事、そして目の前の女性を見殺しにする事だけだ。


 背中から生えたミステイカーの腕が、彼女の赤いバックに当たる。

 その衝撃で、地面に落ちたバックの中身が地面に散らばった。

 財布、スマホ、化粧道具、そして丁寧に包装された誰かへの贈り物。

 それを見た時、青年はすでに物影を飛び出していた。

 

 一気に駆け寄るとスーツの男を突き飛ばし、女の顔を少し強めに叩く。

 

「おい! しっかりしろ!」


「……え? 私……なんでこんな所に……?」


 状況が飲み込めない女性は、ぼんやりとした様子で辺りを見回した。

 そして見てしまった、背中から腕を生やした男がゆっくりと立ち上がるのを。


「きゃ……!」


 叫ぼうとしたその口に、青年は素早く手を当てる。


「静かに……! すぐにここから逃げろ、警察官にあったら447って言え。いいな? 447だ、間違えるな」


 目に涙を貯めながら、女性はうんうんと頷く。

 

「いけ……走れ!」


 その言葉を合図に女性は一目散に走り出す、残された彼は忌々しそうにスーツの男の方を見た。


 男の身体がブルブルと震え、その背中からミステイカーが這い出して来た。

 立ち上がったそれは二メートルを超え、体には半透明の粘液が絡みついている。

 

 茶色い皮膚、異様に長い手足、落ちくぼんだ真っ黒な目、それは餌を取り上げられた怒りからか、口からひどい臭いを放つ粘着質の粘液を飛ばしながら、鼓膜を嫌に引っかくような声を上げた。

 

「……化け物が」


 飛び出したはいいが青年には目の前の化け物を倒す力は無い、護身用に銃を携帯しているが、通常火器ではミステイカーに対抗できない。

 つまり今の彼にできる事は、ただひたすらに逃げ続ける事だけだ。


 デレクス達の到着まで、あと五分。

 その間、全ての力を持って逃げ続ける。

 

 薙ぎ払い、突き刺し、噛みつき、どれを喰らっても即死という極限の緊張状態の中で、彼はあの辛い訓練の日々に少しだけ感謝していた。


「ぐっ……!」


 だが限界は来てしまった。

 わずかに足を止めた隙を狙われ、彼は足に爪の一撃を喰らってしまう。

 立ち上がろうにも、激痛と出血でまともに動けない。

 あと二分、二分だけ逃げ続ければ勝ちだというのに。


「くそっ……! くそが!」


 ミステイカーの腕がゆっくりと上がる、それが青年に振り下ろされようとした瞬間だった。

 一発の銃声が響く、ミステイカーの腕が吹き飛んだのはその直後だった。


 腕を吹き飛ばされたミステイカーは、甲高い悲鳴を上げながら傷口から赤茶色の液体をまき散らす。

 唖然とする彼に四つの人影が近づいてきた。


「よお、生きてるか」


「隊長!?」


 そこにいたのは強化スーツに身を包んだデレクスと、他のアルゴスαの部隊員たちだった。


「どうして……」


「急いできたのさ、まあいい話は後だ。デル、こいつを下がらせろ。他は所定の位置で待機。俺があいつの足を飛ばしたら、一斉射撃で仕留める。さて諸君、あの化け物に教えてやろうじゃないか、人間おれたちに喧嘩を売ったのが間違いだったってな」


「了解」


「分かった」


「おっけー」

 

 青年はデルに引きづられ、後ろへと下がる。


「あんた馬鹿ねー、あんな無茶して死にたいの?」


 若い小馬鹿にしたような声が聞こえる、黒いフルフェイスのせいで顔は見えないが青年と同じくらいの年頃の少女のような印象を受ける。


「うるさい……」


「んなっ……! あんた助けてもらって何その態度!」


 デルは青年を後方のフェンスに預けると、手早く足の怪我の処置を終えた。


「あんたはそこでくたばってなさい、すぐに片付くわ」


 そう言ってデルは自分の担当する位置へ駆けていく、青年は痛みに耐えながら部隊の戦いを見ていた。



「よ、足の具合はどうだ?」


 フルーツの詰め合わせをベットの横に置き、デレクスは椅子に座った。

 

「大袈裟ですよ、来週には復帰できます」


 あの一件の後、青年は足の怪我を理由に入院していた。

 傷はそうひどくは無かったが、デレクスの言葉もあり半ば強引に入院させられていた。


「そう言うな、治療と一緒に謹慎もできたんだ。お得だろ?」


 ケラケラと笑いながら、デレクスはバナナの皮を剥く。

 命令違反をした青年に対する罰は、一週間の謹慎と一か月減給処分だった。

 本来であればもっと重い罰を受ける所だったが、隊長であるデレクスと部隊員たちの嘆願により、彼の罰はずっと軽くなった。


「まったく無茶したもんだ、忠告はしただろ?」


「……はい」


「なんであんな無茶をしたんだ? こういう事を言うのもどうかとは思うが……ああいう場合はどうすべきか、知らないわけじゃないだろ? 初めての任務とはいえよ」


 あの場面で青年が取るべき行動は、あの女性をあえて見殺しにする事だった。

 生物は食事中に大きな隙が生まれる、それはミステイカーとて例外ではない。ミステイカー一匹を殺すために、餌の人間を見殺しにするのはアルゴス部隊では当然に行われている事だ。


「食事中の化け物を囲んで殺す、こいつが正攻法のはずだ。お前の勝手な行動で、他の隊員にも余計な戦闘をさせた。お前は自分の命だけじゃなく、他の連中の命も危うくさせたんだ」


 彼の言葉の端々に、静かだが確かな怒りを感じる。

 いつも軽薄で朗らかな分、余計に青年の心をざわつかせた。


「……すいません」


「まあいい、ただ一つだけ聞かせてくれ。どうしてあんな無茶をしたんだ」


「……それは」


 デレクスはバナナを飲み込むと、言い淀んでいる青年の目を彼は真っ直ぐに見た。

 青年は思わずたじろぐ、デレクスの青い瞳。それに真っ直ぐに見られると、嘘をつくわけにはいかなくなってしまうのだ。


「プレゼントの包みを……見てしまったので」


 デレクスはぽかんとした顔で、青年を見た。

 次の言葉を考える時間稼ぎをするように、頭を掻き、手に持っていたバナナの皮を必要以上に小さくし、ゴミ袋に放り込んだ。


「プレゼント……ってーとあれか? 現場にあったあの?」


「はい」


「うーん……どういう事だ?」


「自分も初めはあの人を見捨てようとしました、でもあの包みを見た時に分かってしまったんです。あの人にも大事な人がいる、プレゼントを贈りたい人が、もしくはプレゼントをくれた人がいる。そう思ったら見捨てる事はできませんでした」


 デレクスは話を聞き終わると、ふぅと小さくため息を吐いた。


「そういや……お前さん、家族を……そうか……そうだったな。確か元々は戦闘員志望だったよな?」


「自分には隊長たちのような才能が無かったので……」


「おいおい、なーに言ってんだ? 確かに戦う才能は無かったかもしれねえけどよ、お前には目があるだろ?」


「それだけですよ、代わりはいくらでもいます」


「バカ野郎、間違ってもそんな事は言うな。あのなぁ、戦い方は一つじゃねえんだ。自分ができない事はできる奴にやってもらう、逆に誰かができなくてお前ができる事ならやってやる。お互いに補い合うためのチームだ」


「そうは言いますが……」


「あのな、前も言ったろ? お前がいなくちゃ俺たちの仕事は始まらねえ、お前が見なきゃあいつらの擬態は見破れねえし、戦闘タイプも分からない。お前が俺たちによこす情報が、どれだけ助けになってるか。その目で情報を集める、それは俺たちにはできない、お前だけができるお前にしかできないスペシャルな仕事だ」


 その言葉に偽りがない事は知っている、デレクスはその軽薄な態度とは裏腹に決して嘘をつかない。

 それはまだ三ヶ月程度の付き合いしかない青年も知っていた。

 本当に妬ましい人だ、青年は小さく心の中で笑うしかできない。

 あの時の戦いっぷりも凄まじいものだった、足を飛ばしたらなどと言っていたがほとんど彼一人で片づけたようなものだった。


 その強さが羨ましかった、自分の手で周りのものを守れるだけの力が。


「どうしたんだ? 言いたい事があるなら言ってくれよ」


「……自分は……あなたが羨ましい。守りたいものを守れるだけの力を持つ、あなたが」


「なんだなんだ急に、照れるじゃねえか。でも俺はお前が羨ましがるような人間じゃねえよ、助けられなかった人間は山ほどいる。俺は……ヒーローにはなれなかったのさ」


 そう言って小さく笑うと、デレクスは立ち上がり窓の近くまで歩いて行った。

 良く晴れた空には雲一つ無い、窓を彼が開けると青空には似つかない少し冷たい風が入って来た。


「でもお前はヒーローになれた」


「自分が……ですか?」


 デレクスは、胸元に入れていた一通の手紙を青年に手渡した。

 封筒を開け、白い便箋を開く。

 そこにはあの時たすけた女性からの感謝の言葉が、最後の行まで書き綴られていた。

 簡単な挨拶から始まり、また生きて子供や夫に会える嬉しさ、そしてあの時の勇気ある行動に心の底から感謝していると手紙にはあった。


「この人にとってお前は、紛れも無くヒーローだったって事だ」


「隊長……確か……被害者は……」


「ああ、記憶消去措置は完了した。お前とはもう赤の他人だ、街中であっても気づきもしない。俺たちの仕事はそういうもんなんだ」


「……それでいいんです、あんな化け物、記憶に残らないほうが絶対にいい」


「そーだな、じゃあ俺は仕事に戻る。また来週な、みんなも待ってる」


 デレクスは笑うと青年の肩をポンと叩き、入り口に向かって歩き出した。


「隊長!」


 青年は遠ざかっていく背中に声をかけた。


「ありがとうございました」


 その言葉にデレクスは振り返らず、右手をひらひらと振ると病室を出て行った。


 一人残された青年は、感謝がぎっしりと詰まった手紙を何度も何度も読み返していた。

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