正体不明の怪異に狙われる恐怖

 正体不明の怪異、『うつろ鬼』に付け狙われる少年と、その家族の物語。

 現代もののホラーです。
 物語開始時点ですでに父を亡くしている少年。その原因がどうやら『うつろ鬼』と呼ばれる何者かであり、そしてそれどうやら残された家族をも狙っているらしい……という筋のお話。
 約4,500文字の掌編でありながら、綺麗にまとまった作品です。

 以下はネタバレを含みますので未読の方はご注意ください。



〈 以下ネタバレ注意 〉

 きっちりスッキリ解決してくれるタイプのホラー作品で、好きなのはやっぱりそのクライマックス。
 怪異の退治されるところというか、いわゆるヒーロー的な人物の活躍する姿がとても格好よくて……。

 キャラクターとしても強烈というか、他にも人知れず活躍していそうなところがとても魅力的です。

 意外なところから現れたうつろ鬼の怖さと、その後の展開の心地よさが素敵な作品でした。