顔のいい男ふたりが無限にいちゃいちゃ(※主観的表現)するお話

 ふたりの人物、「吸血鬼の眷属となるため吸血鬼の元に押しかけた人間」と、「その彼を眷属にはしたくない吸血鬼」との、終わらない押し問答の物語。

 まさに紹介文にある「血を飲むか飲まないか悩んでるだけの話」そのままの、シチュエーション特化のお手軽ファンタジーショートショートです。

 顔のいい男ふたりがひたすら乳繰り合うお話。
 いや乳繰り合ってるわけでは(厳密には)ないのですけれど、でもはたから(というか読者として)見ている立場としては実質そうというか、つまりはみんな大好きなやつです。
 美男子と美男子の絡みはただそれだけで価値があるものだ……。

 吸血鬼や大魔女、始祖に眷属、等々、いろいろファンタジーらしい設定もあるのですけれど、それよりも単純に雰囲気とキャラとシチュの魅力が軸足の作品。
 主従関係、それも押しかけ従者というのが好きです。
 美しい吸血鬼というのはある種の定番ですが、でも「それよりも美しい人間」というのも素敵なところ。

 シチュエーションとその醸す雰囲気を、ひたすら浴びるように楽ませてくれる作品でした。