この作品でしか味わえない、戦場のリアル

　濃密な読書体験が味わえることを約束します。更新済みの最新５話まで読んだだけですが、細部までつくりこまれた設定と描写に圧倒されました。

　狙撃手と観測手。二人の少年が直面する、戦場の物語。舞台は異世界ですが、描かれている世界線は、明らかにリアルとつながっています。

　ロシアのウクライナ侵攻が繰り返し報じられているいま、フィクションの書き手は何を書くべきか。読み手は何を読むべきか。その答えのひとつが、この物語だと思うのです。

　個人的には、作中で描かれる風景の美しさと、少年たちが口にする素朴な食事の魅力にも心惹かれました。