夜空を縫う花火のように、想い出を季節に刻んで
- ★★★ Excellent!!!
ときどき「失礼ですが、人生何周目?」と尋ねたくなる作品に出会う。
本作もその一つかしらん。
主人公は「約三十年ぶりに地元へと戻った」とある。
一時的に帰省したのではなく、戻ったのだ。
また、主人公は独身だと思われる。
結婚していたら、旦那さんを連れに顔を見せに来るだろうし、子供ができたらなおさらだ。
三十年も帰っていないのは、必要がなく、仕事に明け暮れてきたと推測する。
男性は過去に行き、女性は今に生きるという。
過去を引きずることはあまりない。
ないけれども、この主人公は過去に取りすがろうとしている。
潮風がなにも答えない所が良い。
物寂しさがよくでている。