学生生活が価値化された世界~勝ち組か、負け組か、理不尽の中で何が一番正しいのか~

ネリムZ

理不尽な世の中で重要な事

 数十年前から小学から大学まで義務教育となった。成績によって選べる学校は増えるシステムだ。

 それに合わせて人の価値が様々な評価の元、価値がFからSで決まる様に成った。

 今回はそんな世界の高校の話だ。


「止め、てくだ、さい」


 枯れ果て声を絞り出しながら彼、金川かながわ佐久弥さくやである。

 彼の価値はFだ。

 魅力F、性格C、知識F、運動E、総合評価F。

 それが佐久弥の細かな評価で、価値だ。

 名札にその価値が書かれている。


「嫌だね。F底辺が口答えするな」


 そう言ったのは価値Sの東條とうじょうあらしだ。

 現在嵐含めたその取り巻き達は佐久夜に犬の餌を食わそうとしていた。

 この世界の学生は価値が全て。

 価値Fの存在価値なきもの価値Sの存在価値あるものに逆らう事は許されない。

 肉体的損傷さえ与えなければ何しても許されている。


 それで自ら命を絶つ人も少なからず居る。しかし、その場合はその人が弱かったとされる。

 そんな世界だ。


 強い者が上となり下を弱者とする。


「ほら、早く食えよ!」


 嵐、魅力S、性格A、知識A、運動A、総合評価S。

 性格はこの学校生活で⋯⋯教師が見て、それと面談なのどに寄って決まる。

 イジメに近い事をしても、性格が悪いとは断定出来ないのだ。


 佐久夜は逆らう事が許されず、食べる事に成った。


「底辺にはお似合いの飯だな」


「そうですね嵐さん。見ててとても滑稽です」


「俺は良かったよ。こんな底辺に生まれなくて」


 教室に行く際も暗い顔をして地を這うような生活をしているのは名札に『F』があり、笑顔で煌びやかなのはB以上の人達だった。

 授業中でも、その差は大きく出ている。


 下の者は上の者に媚びを売るしか学生生活で生きてはいけない。

 先生は無視だ。


「佐久夜〜、お前教卓の上でダンスしろ」


「む、無理だよ」


「やれ」


「⋯⋯」


 それに笑うのは価値の高い奴ら。だが、先生は無視。

 その中で価値Eの人がクスリと笑った。


「何E分際で同じ様に笑ってんだよ」


「え、いや。そんなつもりじゃ」


「あー不快だわ〜Sである俺を不快にしたわ〜これから一週間な」


「え、何が」


「秘密」


 そして家に帰る。

 佐久夜は部屋に籠って涙を流す。

 自分には拒否権も何も無い。そう、全ては価値に寄って決まる。

 価値の低い自分なんてこんなモノだと、言い聞かせる。


 両親もその道を通って来た。だから相談出来ない。

 佐久夜は誰にも言えずその思いを募らせ、徐々に狂って行った。


(もう、やだ)


 毎日のように精神的なイジメ紛いなモノを受ける。

 そしてまた明日もそんな日常が始まる。


 佐久夜の登校中、幼馴染の星野目ほしのめ美香みかが挨拶をして来る。


「おはよ佐久夜!」


 黒髪ストレートで顔はとても凛としており、スタイルも抜群で、一言で言えば才色兼備の超絶美少女だ。

 魅力S、性格S、知識A、運動S、総合評価S。

 これが美香だ。文句無しの高評価


「美香みたいな価値の高い人が、底辺の僕に話し掛けてはダメだよ」


「なんでそんな事言うの! 毎回言ってるよね?! そんな事関係ないよ! 佐久夜は佐久夜、私は私だよ! そんに自分を卑下しないで!」


 佐久夜の手を握り、上目遣いで胸元を強調し生暖かい息を出しながら頬をピンクに染めて叫ぶ。


(どうせそうやって、僕を笑っている癖に。反応したら良いのか? それがお望みなのか?)


 それに苦虫を噛み潰したような顔をする佐久夜。

 この世界の価値は絶対。疑心暗鬼の佐久夜。

 幼馴染だとしても、それは変わらなかった。


「佐久⋯⋯夜は、私の⋯⋯こ、こと、嫌い?」


 涙を流して、辛そうな寂しいそうな顔をして佐久夜を問い詰める。

 一歩引き下がり、思考を巡らせる。


(演技か? それとも、本当に? でも、だとしたらなんで!)


「同じ価値で、何されるか分からないから、何も出来ない。同じクラスでも無いし、佐久夜は全然出て来ない。でも、覚えてて欲しい。私は佐久夜の味方だから! だから、絶対に、私を独りにしないでね。傍に、居てね」


「⋯⋯ッ! ありがとう」


 心が暖かいモノに包まれる感覚。小さい頃の母親の中の温もりに近い。愛情なのか情なのか、なんでも良かった。

 今の佐久夜にはそれが堪らなく嬉しく、涙を流して笑顔が出る程に嬉しかった。

 言葉でも、作文用紙でも収まらない数の文字が出て来る。

 佐久夜の唯一の希望が美香と言う女性だった。


(そう言えば、小さい頃から優しかったな)


 疑心暗鬼で疑ってしまった罪悪感を感じながら、佐久夜達は学校に行く。

 今の佐久夜には味方が居る。

 それだけで強くなったつもりになり、そして耐えられる気がした。


 しかし、今日は違った。

 たまたまトイレに行けて、その帰りで佐久夜は壁の陰に隠れていた。

 それは美香が、嵐達と話している姿を見たからだ。


(な、何話しているんだろう? もしかして、止める様に言ってくれているのかな?)


 少し頬が緩みながら、耳を済ませる。


「見てこれ、ありがとう、だって! まじでやばいんだけどww! キモすぎだって! 流石は底辺ってレベルでキモイ。だーれがあんなカスの味方になるんだよ!」


「美香まじでやばいよな」


「そう? はぁキモイけど自〇されたら面倒だからねぇ。私がメンタルケアしてやるんだから、とことんやりなよ? それ見て私は気持ち良く成るんだから」


「はは。お前の性格見てると価値がSあると思えんな」


「お互い様でしょ」


 そんな会話だった。


(嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!)


 叫びたいけど声が出ない。

 嘘だと思って今すぐにでもこの悪夢から目覚めたい。

 嫌だ。見たくない。分かりたくない。嘘だ。夢だ。悪夢だ。

 そんな言葉がグルグルと頭の中を巡る。


 しかし、辻褄が合うのだ。

 価値がSもあり、全てが完璧な女性が自分のような価値Fに関わって来る筈が無いと。


「嘘だ」


 最後に絞り出した言葉がそれだった。美香に対して長年積もった感情と想いが涙となって外に放出される。

 価値が高いからイジメ紛いな行為も許される。

 しかし価値の低い者にはそれが許されない。従う奴隷の様な存在。


 そんな理不尽な世界が今なのだ。


 放課後ゆらゆらと歩き帰っている佐久夜の背中をつんつんと叩く人物が居た。

 振り返って見ると、そこには丸眼鏡を掛けて、一言で言えば陰キャの女性が居た。


「なんですか?」


「少し、怖い顔していたので」


「そりゃあそうでしょ。こんなクソみたいな場所に居るんだから⋯⋯君も分かっているんじゃないの?」


 その眼鏡女子も佐久夜と同じFであり、苦しみは知っている筈だと問い詰める。


「そうですが、ですけど、貴方は別と言うか。その目をしている人がこの後、何するか知っているので」


「なんですか?」


「少し、話しませんか?」


 そして二人は学校の人達が居ない様な場所で会話をする。互いの名前を知り、女の子は井上いのうえ唯華ゆいか

 そして、同じラノベが好きと言う共通な話題から打ち解け、近くのテストの話になる。

 それから毎日のように一緒に勉強をして行き、テストが終わっても一緒に勉強し、将来に付いて話したり、好きなアニメの話などを繰り返していた。


 辛い事の毎日も乗り切り、毎日が早く感じられた二人だった。日々を共にして行く中で、二人の仲は深いモノに成る。


 嵐は子供の頃から最高の人生と言っていい生活をしていた。

 美形の両親から産まれて、小さな子供の時からモテていた。

 それで居て教育の甲斐もあり、小学生の時には価値がSと言う高評価に成っていた。

 テストでは毎回好成績、先生からも良い評価を貰っている。


 理不尽な学生生活の上に立つ存在だった。

 そして彼には自慢の彼女が居た。それが美香である。

 美男美女の学校一の最高カップルとして、上の層では有名だった。


 全てが手に入り、ストレスフリーな生活。


(今度は佐久夜に何食わせてやろうかな?)


 そんな長年の経験により、内面は徐々に腐って行った。

 最近では毎日佐久夜サンドバッグに何を食べさせるのかを考える。

 そうして、根本からそんな人物に成った。


 価値が高いからそんな事をしても誰も文句は言わない。寧ろ同調する。

 下の者が泣いても喚いてもお咎めなし。


「俺の為の世界みたいだ」


「そうっすね嵐さん!」


 価値の高い奴は高い奴らでつるんで、低い奴は高い奴の顔色を伺う。

 低い奴らで一番マシなのはボッチだった。上の奴の奴隷が一番辛かった。

 特に嵐の場合はストレス発散装置として使われる。


「ちょっと良いか?」


「なんですか先生」


「あの荷物を運ぶの手伝って貰って良いか?」


「勿論です!」


 そして先生の頼み事をきちんと熟す。

 イケメン、性格良し、頭も良い。体力テストでも上位を叩き出し、バスケ部エースに成る。

 そんな彼は文句無しの最高男子だろう。


 一人に成った嵐は呟く。


「殴れたらもっと最高なのに」


 暴力を振るったらペナルティがあり、将来に関わる。

 だから我慢する。

 彼の彼女、美香はとても優秀だった。

 暗い噂一つ無い美少女。


 将来も期待され、夢は女優らしい。

 その価値もSと当然高く、誰からも慕われている。

 価値の低い存在からも慕われる存在、正に天使と呼べる存在だろう。


「はぁ。まじで私良い両親から産まれて良かった」


 もしも違う両親から産まれたら魅力の評価が低く、価値はかなり下がっていただろう。

 それは他の人を見れば分かる。

 価値Fの女は軒並み『ブス』と呼ばれる人種。

 生きる事に絶望して何もかもが空虚な人も居る。


 美香は自分の価値を、存在価値を下げない様に自分から人を弄る事はしない。

 他人がやっているのを録画して貰い、見ているだけだ。

 時々メンタルケアを行っている。


 嵐も美香も外面的性格は高いが、内面的性格は最悪だった。

 そして、こんな格差が確実に生まれているこの環境では、それを叱る人は誰も居ない。

 だからこそ、自分が世界の中心だと思い生活をする。


 数十年後、同窓会にて。


「皆懐かしいなぁ! ねぇ、今何してんの?」


「大手企業で営業してるよ」


「まじか! お前頑張ってたもんな!」


「お前は?」


「弁護士してます」


「なんだよそれ! 俺よりすげぇじゃん!」


「いやいや。価値Eだった俺に優しくしてくれたお前のお陰だよ。誰かの為に成りたいって思ってな」


「ま、大学では互いに価値Bだったけどな」


「だな! 何かあれば頼れよ?」


「安くしてくれよ?」


「「あはははは」」


 今では価値化はされて居ないが、笑い感覚で使う。

 価値Fの人達は来ている。中には勿論来てない人も居る。

 価値Fで理不尽な人生を歩み、それを打開しようと努力した結果、昔に自分達よりも価値が高い奴らよりも良い生活をしていた。

 だからこそ付いた自信があったので、同窓会に来ている。

 勿論、中にはそのままを受け入れて諦めた人や、既に人生を諦めた人も居る。


 言わば努力したもん勝ち、下克上のように同窓会に参加していた。

 しかし、価値が高い者がそのままのも居る。例えばこの二人。

 昔からSでずっとSの完璧超人。

 嵐と美香。現在嵐は社長をして上場企業だ。美香は夢を叶えて有名女優である。


 先程弁護士と名乗った男のところにとある女性が歩み寄る。


「へぇ。なら、あたしが結婚してあげても良いわよ」


「え、ど、どちら様?」


「分からない? 美幸みゆきよ」


 美幸、彼女は価値がAでそこそこの美人だった。

 しかし、それで慢心した結果、暴食して太った。

 今では昔の見る影も無いのに、過去の栄光に縋って上から目線。


「いや、無理でーす!」


 そして離れる。


 そんな同窓会で扉を開けて入って来る人物が居る。

 銀髪で超絶美少女、否、絶世の美女であった。

 周りをキョロキョロしている。

 その人を誰もが知っていた。

 美香と同期でありながら、よりオファーが多い超大手の女優であり、声優、漫画、小説、様々な事で活躍していた。


 嵐は堂々と近づく。


「貴女の様なお方がここの同窓会に何用ですか? 会場を間違えているのなら、案内しますが?」


「いえ。ここで合ってます」


「ッ!」


「あ、あの! 私美香って言うんですが。同期なのに私よりも上。その、嫉妬もあるんですが超ファンなんです! サインしてください。金川唯華さん!」


「あ〜ちょっと待ってください。私待っている人が居るので」


「え?」


「誰ですか?」


 嵐が質問する。

 そして、この二人が絶句する内容を口にする。


「佐久夜君です」


「え、待って、金川って、え?」


 金川唯華、一番は女優として有名だ。そして、それに繋がって有名なのがある。

 それは夫が居る事だ。おしどり夫婦として有名。

 しかも、大学在学中に起業し、大きな会社に仕立て、海外にも進出している。

 そんな夫を持っている。


「あ、来ました」


「ごめん。途中でガソリンなくなっちゃって」


「全く。相変わらずですね佐久夜君は。節約も良いですが、そんなミスは止めてください。普通に恥ずかしいです」


「ごめん! 気をつける」


 誰も気に止めていなかった。

 ただの嵐のサンドバッグか底辺の一人としか認識されて居なかった。

 そんな佐久夜が、今では嵐を凌ぐイケメンとなり、絶世の美女と親しげに⋯⋯ネットニュースでもある様に結婚していた。


「え、えと」


 嵐、そして美香が絶句する。


「さ、佐久夜!」


「なんですか?」


 怯える様子も無く、そう答える佐久夜。


「お前、なんで、そんな」


「ん? 何が?」


「どこで、そんな」


「唯華? 同じ高校だったよ。そして、同じFだった」


「は?」


 そして佐久夜は語り出す。


「僕は君達にイジメられて。違うか。イジメ紛いな事をされて精神的に参っていた。そんな中、同じ価値Fだった井上唯華に救われた。多分、当時の僕は自〇を考えていたと思う。だけど、それで僕の世界は変わった。一緒に勉強して行く中で、僕は経営に興味を持ったんだ。そして高校の内に勉強して、大学在学中に起業した」


「ちなみに初期投資は私がイラストで稼いだお金だよ」


「まさか、底辺の、お前が」


「はぁ。そうだね僕は底辺だったよ。⋯⋯あくまで価値はね。だけど、それはあくまで評価された中の価値なだけだ。必ずもそれが正しい訳じゃない。評価されない部分、努力や精神力と言ったモノだね。僕はそれを伸ばした。言い方をカッコ良くしただけか? ただ、がむしゃらに頑張って、努力して、ここまで上り詰めた。それだけだよ」


 二人は嵐と美香の完全に上位互換だった。


「あと、僕が経営している社名は天の川カンパニー」


「⋯⋯へ? さ、金川社長って、まさか!」


「うん。今度取り引きして貰う予定だよね」


 にこやかに答える佐久夜。そして、膝から崩れ落ちる嵐。


「大丈夫だよ。仕事に関しては僕は私情を絶対に挟まない。ただ、君の所は悪い噂が耐えないから怖いけどね」


 嵐は性格が変わる事は無かった。

 故に、学生と言う枠から外れ、我慢する必要の無くなった嵐は傲慢になった。

 確かに軌道に乗せられたのは才能もあったのだろう。

 しかし、それまでだった。

 傲慢で自分勝手な人に付いて行く人は居なかった。

 今回の取り引きは社運の掛かったモノ。


「さ、佐久夜久しぶりだね。びっくりだよ。こんな立派に成ってるんだもん」


「そうかな?」


「うん。とってもびっくりだよ! ね、幼馴染同士後で飲み直さない?」


 唯華が美香を睨む。怯むが引かない美香に佐久夜は冷たく言い放つ。


「やだよ。最後に一言言うね。ありがとう。君が僕のメンタルケアをしてくれたお陰で、今僕はここに居るんだよ」


「⋯⋯ッ!」


 唯華は美香達を見てから我慢をしていた。

 大切な人の最悪な人達。だけど反対に自分と巡り合わせてくれた人物。

 復讐するかしないかを、唯華だけが考えていた。


 二人は友達が居る訳では無く、ひたすら仕事関係などで問い詰められるのが面倒で逃げ出した。

 ちなみに二人が別で来た理由は仕事の関係だ。

 帰りは佐久夜運転の高級外車で一緒の家に帰る。

 佐久夜の今の趣味は車集めだ。


 佐久夜はここまで努力で成り上がった⋯⋯それだけでは無い。

 勉強の末で経営や投資の才能を開花させ、唯華の支えもあり、そして価値Fだから低い者、虐げられる者の考えや思いが分かるからこそ出来る経営で上り詰めたのだ。


 帰りの車の中。対向車線のライトが眩しく視界を時々埋める中、唯華が謝る。


「ごめん」


「え、何が?」


「本当は隠すつもりだった。だけど、やっぱり無理そう。罪悪感で押し潰れる」


「何?」


「私は貴方を利用しようとした。確かに最初は危ない人だと思ったからだけど、途中から利用出来る人だと思った。だけどね。私の方が負けた。一緒に過ごしている中で、私は本当に貴方の事を愛してしまった。これを聞いても、貴方は私の旦那で居てくれる?」


「当たり前じゃん? そもそも過去なんてどうでも良いんだよ。今と未来があれば、それで良い。言ってくれてありがとう」


「⋯⋯うん。⋯⋯で、復讐する? 今なら出来るんじゃない? 協力するよ?」


「しないよ! 恐ろしい!」


 もしもこの価値化されて居ない世界だったら、佐久夜達はこうなっていたのだろうか。

 考えて見て欲しい。本当に運命と言うのがあるのなら、佐久夜と唯華は巡り会えたのだろうか?

 運命なんだからそうに決まっている。

 そう言う人も居るかもしれない。

 しかし、圧倒的な格差が生まれるこの世界じゃないのなら、運命は変わっていただろう。


 嵐だって傲慢にならず、佐久夜にイジメ紛いな事をする事も無かっただろう。

 一つ違うだけで、人は大きく変わる。

 どんなに理不尽な中でも、その逆光に逆らって努力し、己を制した者だけが、社会と言う大人の世界で役に立つのかもしれない。

 幸せは向こうからやって来ない。

 自分の心を制して、努力した人が、上に立てるのだ。


 価値と言うのは、それぞれ違うだろう。

 同じ評価過程で決められる価値なんて、薄っぺらい。

 これは、そんな話だ。

 今後、嵐や美香がどうなるか分からない。

 だけど、一度再び会った皆は、きっと価値なんて関係なく、仲良く成れたかもしれない。

 過去の過ちを反省し、今を見て前を向く。

 この話は以上だ。


 井上唯華

 魅力F(S)、性格C、知識F(SS)、運動F、総合評価F(SS)

 もしも小さい時から才能を開花させ、天才と成って、将来設計を明確に持つ存在が居るのなら、この環境を利用出来るのかもしれない。

 あくまで価値と言うのは他人からの評価。

 だったら、それを偽る事はあんがい用意なのかもしれない。


 こんな言葉がある。


 【能ある鷹は爪を隠す】

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学生生活が価値化された世界~勝ち組か、負け組か、理不尽の中で何が一番正しいのか~ ネリムZ @NerimuZ

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