この物語はAIVISというアンドロイドが存在する世界が舞台です。AIVISは人間の生命活動とよく似た仕組みで生きており、機械療法という方法で修理します。カズキはその機械療法士を目指す学校に通っています。彼の傍にはいつもエルという可愛いメイド型AIVISと忠犬の様なAIVISがいるのです。
どこか影のある少年カズキはある日「イロハネ」というゲームに巻き込まれていく事になります。
このゲームに勝てば自分が望む「セカイ」を手に入れることが出来る。そんな望まぬ戦いに巻き込まれていくカズキ……。
物語の設定が個性的で、生物学の裏付けを感じさせる緻密さがあります。あり得ないけど、あり得るかもと思わせるリアルさが凄い。
ストーリーだけを辿れば、アクロバティックな展開を予想するのですが、実はそれだけではありません。カズキの友人達やカズキを想うエルなど、カズキとカズキを取り囲む人々の思惑が交錯し時に苦しみながら物語が展開していきます。
登場人物一人一人の個性と想いをしっかりと描いた人間ドラマとしても秀逸な作品です。
緻密な設定、人物の心理描写、舞台となる荒涼とした人工島と少しごちゃついた息吹を感じる街並みとの対比などの背景描写。圧倒的な筆力で物語は立体的に描かれていきます。
一話一話、大切に読み進めたくなる物語です。
人の形をしたロボット、アンドロイド。この世界でAIVISと呼ばれるその存在を治療するという職業、機核療法士を目指す学生、カズキ。
カズキは様々なAIVISと出会い、時に対話し、時に治療し。その相対する様は、まるで一個の対等な知的生命体として扱うかのよう。
そう、この物語でAIVISはアンドロイドというより『新しい機械生命体』と見るべき存在であり、行き過ぎた愛情を持つ病んデレAIVISなどの個性すらも散見するのです。
それらAIVIS達を、どうしても他の人達のように道具と認識しきれないカズキは、やがて大きな世界の創造に関わるゲームに巻き込まれて行く。
その先で悩み、理解し、そして進む。
練り上げられた設定、奥深い世界観、謎が深まるゲーム、そして新しい生命体との出会い。
カズキが悩みながら自分の価値観を創り上げていく、これはそんな物語です。
様々な面白さが詰め込まれた本作、読み手によって楽しみ方も様々。
一読して、貴方の面白さを見つけてみてはいかがでしょうか。
舞台は、アイヴィスというアンドロイドが存在する近未来。アイヴィスは人間と同じように病気を患うことがありますが、それを治療する機械療法士《レイバー》を目指す少年が、〈イロハネ〉という神のゲームに巻き込まれ、アイヴィスと融合する能力を手に入れます。
生物学を交えた独創的な世界観が魅力的で、幅広い層に支持される、少年漫画のような作品だと感じました。
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というようなレビューをひっそり書き進めていたのですが、お話が進む毎に他にも魅力的な要素が続々と登場し、とうとう私の語彙力では簡潔に言い表せなくなってしまいました!
少年漫画のような爽やかさはそのままに、ツンデレヒロインが登場したり、謎が謎を呼ぶ展開があったり。
特に、作中に登場する〈テンシ〉と〈アクマ〉、人間とアイヴィスといった、異なる立場にある存在が心を通わせていく様子に、深く考えさせられると同時に、しっとりとした感動を覚えました。
もちろん、手に汗握る展開も盛りだくさんです。
すみません、推したい要素がありすぎて纏めきれませんでした!
まずはぜひ本編をご覧いただき、作品の魅力を堪能して下さい!
作り込まれた世界観と登場人物たちと、それらを巧みに表現する文章力が秀逸です。
オリジナルの用語に加え、科学や生物など専門的な知識が出てきて最初は少しとっつきにくいかもしれませんが、先に書いた通り文章力がそれらを解決してくれます。読んだ文章がそのまま脳内で綺麗に再生してくれるくらい読みやすいと私は感じました。
もちろん文章の読み易さだけでなく登場人物たちもみんな魅力的です。ただここに関してはレビューなのに何を言ってるんだって感じですが、私がいうよりもとにかく読んでもらいたい!私はスカイライナーとエルが好きです。
他の作品に比べるとヒロインの登場は遅めかな?と思いますが、そこが気にならないくらいしっかり作り込まれた世界観を、ぜひ多くの方に読んでもらいたいです。
舞台は人型や動物型などの様々な機械生命体と共に暮らしている、どこか近未来のような世界。主人公はこの世界ならではの特殊な職業に就く為に学ぶ学生。彼の日常を追いながら、次第に物語の謎が解明されてゆく、そんなワクワクする作品です。
素晴らしい部分ばかりのこの作品ですが、やはり個人的に最も引き込まれたのは「世界観」でしょうか。「この世界に行きたい!」と思わせてくれるほどに、しっかりと「世界」が存在しています。
世界観が魅力的な作品として、どうしても専門用語が多く登場しますがどれも受け入れやすく、疑問に思った次の瞬間には解説してもらえる上に説明くさくもなっていない。なのでどんどん物語の中へと迎え入れてもらえます。
作中用語以外にも、読みづらい漢字にはふりがなを振ってくれていますので、とても読みやすいです。
学校ならではの医療知識を交えた「授業」も非常に面白く、とても勉強になりますね。バトル(機療)シーンの描写はキャラの緊張感や痛みまでも伝わってくるかのような迫力です。
当然、この世界に生きるキャラクタ達も魅力的です。主人公はもちろん、彼の友人達も個性的でそれぞれに特長を持っており、しっかりと生きています。この作品の華であるアンドロイド達も、現実に存在しているかのようなリアリティで描かれています。私もメイドさんが欲しいです!
また、作家さんの描写力がとても高いので、それぞれのシーンが映像として頭に浮かびますね。特に主人公が目覚める場面は、まるで映画のスクリーンで見ているかのような臨場感です。しっかりと青色が綺麗に見えました!
このように読者としても楽しませて頂き、作者としても勉強させて頂ける。そんな素晴らしさに溢れた作品。ぜひ多くの皆様に読んで頂きたいですね!お勧めです!
人と人工生命体が共生する社会。
人と同じように人工生命体も病気になる。
人工生命体を治療するための職業も存在する。
主人公は人工生命体を治療する職業につく専門的な学校に所属し、学校は受注した治療依頼を生徒に課題として対応を課す。
教師が同伴し、生徒の適性を見極めながら現地で指導にあたる。
人工生命体は様々なタイプが実用化されており、時には病気によって制御不能に陥り、大きな被害がでることもある。
そのような手に負えない状況に陥った現場に駆けつけて、自らの特性を元にした装備と共に人工生命体を治療していくのが主人公の所属する学校の生徒や先生、プロ達のお役目。