第8話

   

 どうやら彼は、特異体質だったらしい。いくら殺されても蘇るし、殺されたことも忘れてしまうようだ。

 その証拠に……。


「もう許せない!」

「落ち着けよ、優子。包丁は人間に向ける道具じゃないだろ?」

「死ね!」

 あれから私は何度も彼を殺してしまったが、いつも無事に復活。何事もなかったかのように、同棲生活は続いているのだから。




(「私は彼を殺してしまった」完)

   

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私は彼を殺してしまった 烏川 ハル @haru_karasugawa

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