深夜の銃声
興梠司
第1話 深夜の銃声
【ドンッ】言う音がなったような気がした、洋介は業者が何かを落としたのだと思いもう一度寝に入ろうとすると【ドンッ】という音が聞こた。今日の搬入の人は下手なんだなと思っていた。洋介の住んでるマンションの下にはコンビニがありこの時間搬入しているのは把握済なので、【ドンッ】という音くらいじゃびっくりもしないが、三分後サイレンを鳴らしたパトカーが洋介の自宅らへんに数十台止まっていた。搬入の人が物を落としたくらいにしては大騒ぎだなと思い外に出た。撃たれたのは仲のいい知り合いの権堂剛だとわかり洋介は身震いをし家の中に入った。
翌日新聞には新宿で発砲じけんと小さい記事が載っていた、事件の概要を警察はまだ掴めてないようだった、朝食のパンを食べ終わり、仕事に出るため外に出ると、黒い車が何台もとまっており「高橋洋介さんですよね?」と男が訪ねてきたので「そうだ」というと警察手帳を見せて「署まで同行お願いします」というので洋介は「いやです」といい警察手帳の男を追い越し駅に向かうがスーツを着た刑事たちが洋介についていく、「要件はなんですか?」と怒り口調で言うと「昨日の事件の話です」と刑事が言うので昨日の事件のことには洋介も気になってはいたので、会社に休みの連絡を一本入れて刑事にサンドイッチされ警察署に連れてかれ、「取り調べ室で待っていてくれ」というので洋介は物珍しそうに取り調べ室を見学したが珍しいものはこれといってなかった。
お茶を出され待っていると禿げたおじさんが中に入ってきた、「わしの名は斎藤じゃ、もう定年近いから協力頼むぞ」と言われたが昨日の事件には洋介は関わっていないのでなにもわからないが斎藤は何かを知ってとおもっているらしい。
「それで剛はなんで殺されたんですか?」
「なんでだろうね、洋介くんのほうが仲良いからしってるんじゃない?」
「仲が良いって言っても最近連絡とってないですよ」
「そうかいそうかい」と斎藤は洋介の話を聞いている風にして話を流していく、取り調べ室には時計がないから現在何時なのかもわからない、携帯や貴重品も刑事に預けてあるので何もわからない状態だった。
斎藤はなんども同じ話をしてきた、剛の身の回りのことや今付き合ってる彼女のことまで聞いてきたが洋介にはなんにも答えらっる答えを持ち合わせていなかった。最近の剛は遊びに誘っても来ないので最近忙しいんだろうなぁー程度にしか考えてなかった。警察署から出てくるとばったり、ゆかと治郎と会った。二人も警察署に呼ばれていたらしい。昔やんちゃしていたメンバーは全員呼ばれるんだろうなぁと洋介は思った。
洋介達は10年前卍會というグループで新宿でも一目置かれる存在だった、現在初期メンバーは一人もいないが卍會は実在する半グレ集団になっていたが10年前ほどの力もなく、暴力団からもチンピラ扱いを受けている。10年前ならそんなことなかった、10年前なら暴力団も卍會と聞いたら一歩引いていた、みかじめ料も暴力団ではなく卍會がもらっていたが。洋介たちが抜けてグループは崩壊していった。身内同士の喧嘩、殺し合いが普通になっていた。
洋介が一回注意したことも会ったが「卍會をやめたおっさんには関係ねーよ」と言いながら笑顔で仲間を殴っていた。洋介はもう駄目だとおもってその後から卍會へ近づくことはなかった。刑事がOB達を呼んでいるということは卍會が関わってるのか、剛も卍會とは距離をとってるはずだった。剛は卍會を抜けて会社を設立させた、不良少年の更生の場になればいいと照れくさそうに語っていたのを思い出した、そんな剛が誰かに殺されてしまったのだ。
卍會OB,が動かないわけがない、洋介はすぐに後二人のOBを呼び出した。
OBを呼び出したが直近で剛と連絡をとってるものはいなかったが「最近剛、卍會をうろちょろしてたみたいですよ」という声があった。創設メンバーの六人は卍會を抜けてから卍會に関わらないでいこうと約束していたのに剛は出入りしていたというのか、きっとなにか理由があったに違いないと思いそいつに理由を聞いても「なんででしょうね」としかえってこなかった。こいつにたいした答えは求めて無かったが期待した俺が馬鹿だったと洋介は思った。
「現メンバーと連絡とれるやついないか?」と聞くとゆかが「あいみっていうこなら連絡とれるよ」「そいつ呼び出してくれないか?」「わかった」と言ってゆかは電話をしにいった、「8分でつくって」「卍會の掟はそのまんまなんだな」と洋介が笑った。
卍會にルールなどなかったが先輩から呼ばれたら「8分以内でその場所に行く」というルールだけはあった。なんで8分にしたのかはみんな忘れている。 あいみがちょうど8分でやってきた。あいみの顔色はとても良いものとは言えず白く震えていた。「ゆかさん、助けてください」「私も剛さんみたいに殺されちゃいます」と泣き始める。
カフェで泣かれても困るので洋介達の隠れ部屋へ連れいくことにした。あいみは車に乗ってる間も泣いていた。
理由はここで聞くものじゃないとみんなが思い、あいみを泣かせるだけ泣かせて隠れ家についたら話しを聞けば良い。隠れ家についても泣き止まないあいみをゆかが「あなた卍會でしょ、そんな泣かないの、詳しいことを話してちょうだい」というとあいみが頑張って涙を止めようとするが涙が溢れてくる、それほど恐怖なんだろうと治郎は思った、あいみの涙が少し引きゆかが「話せるかい?」と聞くと頷いたのであいみの話を一言も聞き逃すことなく聞いた。
要約すると、卍會の幹部連中は覚醒剤をいじって売っていたというそれに気づいた剛は覚醒剤をイジるのを止めに入った。「卍會はそんな腐ったヤクザがやるようなことやるもんじゃねーんだよ」とキレて事務所をグチャグチャにして帰っていったという、その三日後に剛は殺された。あいみは覚醒剤をいじってたわけではないがその場を見てしまったという、幹部が覚醒剤をいじってるのを見つけると殺されるという噂は前々からあって、剛が殺される前に三人殺されたらしい。
洋介は憤りを感じて「もう一度卍會結成しないか?」ここにいる5人は頷いた。
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次回 8/8 第二話予定
深夜の銃声 興梠司 @asahina0606
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