本当はなんも悪くなかったメデューサ

 目が合った者を石に変えてしまう怪物、メドゥサを退治しにきた英雄ペルセウスのお話。

 ギリシャ神話のメドゥサ(メデューサ)の逸話の、アレンジ的な物語です。
 一般によく知られているお話に対して、実は意外な真相が、的な筋のお話。

 神話を土台としたお話ですけれど、元の逸話をあまり知らなくても普通に読めるように書かれているのが素敵なところ。

 作中のメドゥサの身に起こったことを考えると、わりと悲劇としか言いようのない物語……ではあるのですけれど、でも単に悲しいだけのお話ではないところが好きです。

 最後はスッと胸が空くというか、しっかり落とし前つけてくれるところが嬉しい物語でした。