不倶戴天の敵たる義父との同居生活

 ただでさえ仲の良くなかった義父が認知症を患い、介護のための同居生活を余儀なくされてしまった男性のお話。

 現代もののコメディ作品です。
 認知症の介護や義理の親との関係など、現代におけるいろんな悲哀がぎゅっと詰まってはいるものの、あくまでコメディ作品なので終始弾けているところがとても素敵なお話。

 登場人物の個性が魅力的なのですけれど、中でも個人的に好きなのはやっぱり笹原医師。
 本当に異様なくらいの「いい人」で、どこまでも真っ直ぐなんですけど、でもいい人すぎて胡散臭いというか単純に厄介なところがもう本当に好きです。
 なにこの人……もう出てくるだけで笑っちゃう……。

 主人公たる貴弘さんが酷い目に遭うお話で、間違いなくかわいそうではあるはずなんですけど、それでも(それなのに)ついつい笑ってしまうお話でした。