第3話

「なんで、お前だけが苦しまなくちゃいけないんだ....!」


ベナの様子がおかしくなったのは数ヶ月前の事だ。

首に赤いあざができ、足元がおぼつかなくなり、つ

いには寝たきりになってしまった。村の人間曰く、

このあざは人の魂を蝕む恐ろしい病であり、治す方法はなく、病を広げないためには発病した者を焼くしないらしい。

何故だ。俺はともかく妹はまだ14のか弱い少女だ。

明るく元気で、今まで虫けらの一匹も殺したことがないのに何故。そう思ったところでベナが助かるわけじゃない。居ても立っても居られず俺はベナを抱えて禁忌の森に走った。

「クソっどこにいった!?」

「そう遠くには行けん!おそらくこの辺りにいるはずだ、手分けして探せ!」

村の奴らの目を掻い潜りながら森を走っていると小さな泉に着いた。小さく、みすぼらしい泉に。

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化物水 @Nendoll

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