6ヶ月後に死ぬ私と死にたい僕

@saki0915

ドン底の二人

「死ねよ、クソが!」僕の母は僕に口を開けばこんなことしか言わなかった。

毒親の子供はだいたいヤンキーか地味男になる。まあ、僕は後者の方。

僕は自分に自身が持てず、内気で地味で喋らないようなただ心臓が勝手に動いてるだけの人間。

中学の時に僕の唯一の理解者だった祖母がなくなってからは、いよいよ常に死ぬことしか考えなくなった。

でもそんな日々も今日で終わり。

今日僕は、16年の人生にピリオドをつける。

さあ、飛び降りよう。この次の特急電車で、

僕は本当は1番前に並んでおきたかったけど前にいるのはどこもかしこも女子高生、だから僕は2番目に並ぶ。

次の電車で最前列になるからいいや。これは乗り過ごそう。

なんて考えてた時、僕の前に並んでた少女が飛び降りようとしていた、

「ぁっ、あなたが落ちたら、僕が死ねないんです。明日にしてください。」

人生最後、ヒーローのように身体が動いたのに、出てきた言葉はこんなしょうもない言葉だった。

でも、傍から見たら自殺少女を救った英雄に見えたのだろう。僕は周りの人に拍手され、自殺しずらくなってしまった。

自殺少女は逆ギレするかと思ったが、意外と淡々としていて「あなたも同じなんですね。でも私は自殺の邪魔されました。あなたもこんなんじゃ自殺なんて出来っ子ないでしょ。」と、僕がぎょっとしていると、続けて、「私たち似た者同士、心中同盟組みません?」え、?正直理解が追いつかない。なんか同盟とか何とかかんとか言ってるけど、僕は、人間生まれ、死ぬのも一人と考える側の人間だから普段の自分なら断るであろうに、なんかその日は無意識のうちに、「は、はいぃ。」なんてつい言葉を返してしまった。

どん底の2人が出会っても何も出来ない。この時の僕はこんな風に思っていた。でも僕と楓の出会いが少しずつ運命を変えていくなんて。

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