秘密結社と魔術。少年と槍の少女。少年が切り開く未来とは!?

非常に完成度の高い小説だと感じました。それに面白いですね。秘密結社と魔術というと、一昔前の王道だったので少し懐かしい感じもしました。

それに魔術でわざわざ剣を作って戦うというのも、某Fateのアーチャーみたいでいいですね。もしかしたら、モデルはあのアーチャーなのでしょうか。

少年の性格も非常に主人公向きです。向こう見ずで誰かを助けるために命を投げだす。どんな、危機に陥っても彼はそこから誰かを助けるでしょう。

だからこそ、一読者として不安もあります。彼の目的は何なのか??強くなりたい、そんな憧れだけでは説明できないほどの行動を主人公は取っているように見えるからです。

私の好みの問題かもしれませんが、何のために強くなりたいのかを知りたいと思いました。そうでなければ、主人公は強さしか得られません。強さの先の幸福を目指してほしいと思います。それが物語の構成上叶わないとしても、です。作者からすれば、彼らの努力は記号でしかありません。書きたいラストを描くための記号。

でも、主人公を筆頭とする彼らにとっては大切な時間だからです。だからこそ、彼らの行動にはきちんとした行動原理を提示してほしいですね


まだまだ、序盤の物語。仮面の魔術師も主人公も槍の少女も謎ばかり。でも、彼らは魅力的なキャラクターばかりだと感じました。誰もかれもが物語という流れの中で藻掻いています。その様は現実と言う荒波の中を彷徨う私たちを見ているようです。

そんな中で彼らがどんな輝きを見せてくれるのか。叶わないかもしれない望みや目標、真剣に目指すそれらは散る姿すらも美しい。完成度の高いストーリーだからこそ、その流れに負けないくらいの輝きをキャラクターが魅せてくれることを願います。

どうか、ご一読ください!!!

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