文章全体に荒削りな箇所はあるものの、二人の登場人物によって、独白形式で語られる一人称の視点は、実際に体験したかのような迫真に迫る心理が描かれていて、非常に驚かされました。
さらに、タグから推察されるように、まだ十代と思しき年齢で、ここまでの心理描写ができることに、さらに驚きを禁じえませんでした。
今となっては古い作品になってしまいますが、映画『乙女の祈り』や『ヴァージン・スーサイズ』にも通底する十代の葛藤や現実に対する無情感が見事に描かれています。
遥と和の二人は、どんなミライを夢みたのかーーーーーー。
一見すれば悲しいけれども、希望があるように思える、不思議な余韻の残るラストシーンに胸を打たれるストーリーです。