人の業、化け物の業

 とある村に住む美しい娘と、その彼女を見初めた不器用な男の物語。
 より正確には、それを母と父の物語として語る、ひとりの男性のお話です。

 とんでもないお話でした。
 いや、何を言えばいいのか、だってもう、こう、あまりにも壮絶で……。
 ぐるぐる渦巻く人の業というか、ドバドバ垂れ流しになるえぐみのようなものに溺れそうになりました。

 展開が好きです。本当にこう、次から次へと、と言ったら語弊があるんですけど、読み進めるにつれ物語がどんどん厚みを増していく感覚。
 最後の『4』(第四話目)なんかもう最高でした。
 思いもしない、でもこれ以上ない、そしてこれ以外にない展開と幕引き。

 あまり詳細な内容を言えないのが悔しい……!(ネタバレしちゃうのがもったいないので)

 えっぐい人の業や、そのもたらす壮絶な結果が好きな人には、もう文句なしにおすすめできるお話です。
 そうでもない人にもおすすめします。
 ものすごい読み応えでした。ぜひ!