僕は方舟に君を乗せるか僕を乗せるのか
右足左足と水を掻き分けて
バシャバシャと泡立つ水の泡がまとわりつく
どこよりも遠くへ行きたかった
誰もいない世界へ
知り合いもいない場所へ
澄んだ浅い水辺に素晴らしい方舟が
それは僕が乗る資格はあるのだろうか
生きる理由はあるだろうか
応えのない問と過ぎ去る日々を
後ろめたいこと
は沢山ある この広い世界で
肩身の狭い思いをして生きていた
君ならどう答える?励ましてくれる?
味方は君だけでいい
足の速度を緩めて 跳ねる水は魚の形をした
無数の魚が足にまとわりついている
『大丈夫』なんて言葉でごまかしが効かないよ
心の痕を撫でる 撫でる
澄んだ浅い水辺に素晴らしい方舟が
それは僕が乗る資格はあるのだろうか
生きる理由はあるだろうか
応えのない問と過ぎ去る日々を
後ろめたいことが沢山ある
戻らない現実で
肩身の狭い思いをして今も生きている
君はこう言ってくれ
期待していいよ
暗い暗い暗がりに 光が刺さることを
期待してもいいんだよ
水を足で掻き分けて
どこよりも遠くへ行きたかった
どこよりも遠くの方へ
走りたかった
逃げたかった
バシャバシャと音をたてて
今日も水を掻いて走っている
総合詩集(第二弾男目線) 衣草薫創KunsouKoromogusa @kurukururibon
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