滅亡目前の世界、落ちてきた同年代の男子を飼おう

 終末目前の世界、人類の最後の足掻きの中で育まれる、少年ふたりの友情のお話。

 最高でした。
 まったく言葉が出てきません。だってもう、あまりにも良すぎて……。

 己が身を兵器に変えて戦う『救世主』の少年と、何の変哲もない普通の少年の友情物語……なのですけれど。
 一風変わった主人公のものの見方、救世主の彼と親しくなる過程をして「飼う」と表現するところがとても好き。

 一体なにゆえそれが「飼っている」ことになるのか。
 その意味のもたらす危うい緊張感と、そして最後の説得力。
 凄まじい威力でした。胸をぐわんぐわん揺さぶられた感じ。

 終末ものSFという舞台設定、その威力をフルにぶつけてくるだけでも結構な破壊力なのに、それだけにとどまらないところがとにかく大好き。
 他の誰でもない、この彼らだからこそのドラマだと、そうはっきり断言できるお話はいいお話だと思います。

 胸を張ってお薦めできる作品です。是非とも読んでみてください。
 とっても面白かったです! 読めてよかった〜〜〜〜!