若き青年剣客と、その新たな師となった尼の、修行の日々と宿命の物語。
いわゆる武侠ものの中華ファンタジーです。迫力の剣戟アクションが本当に圧巻。
修行により新たな力を身につけていく中で、徐々に詳らかになる登場人物たちの過去や秘密がとても魅力的でした。
宿命というのか、あるいは呪いか、抱え込まされたものの大きさと根の深さがもう本当に……!
ストイックな修行の日々や、硬派で硬質なアクションも好きなのですけれど、その傍にある日常のホッとする感覚も好きです。
町の人々と打ち解けていくところとか。近くの尼寺の清儀さんがまた素敵な人で……。
物語世界に浸らせてくれる丁寧な筆致を含め、ロマンたっぷりの素敵な物語でした。