夢のかけらを小酒に溶かして、年月をあおるように飲み乾して重ねていく

ですます調で書くことで、ドキュメンタリーのような世界観を生み出している。
表現が独特で、主人公の精神状態や性格をうまく表現している。

荘子の『胡蝶の夢』に登場する蝶は、アゲハ蝶のことだという。
なので、胡蝶の夢から発想がきているのかしらん。
最後にあらわれたアゲハ蝶は、彼女の魂かもしれない。

彼女も主人公と同じ性格をしていたのかもしれない。
心中を求め、彼女だけが死んだ。
だから主人公はおかしな精神状態となったのだと推測する。
「Shall we dance」は、彼女が屋上から落ちる前の言葉だったかもしれない。
アゲハ蝶となって現れたのは彼女の魂か。
ただの幻覚か。
でも主人公は、今度こそはと踏切をくぐっていくのだろう。

でもね、思っているよりも、この世界にクズな人間は多い。
上を見れば上があるように、下があれば下があるもの。
つらいと思ったら、自分よりクズな人を見つけて、
「あの人達よりまだましだ」
「まだ自分は大丈夫だから」
と奮起した方が良かったとおもう。