第6話 お別れ

家に着いたが、何故か父さんと母さんが、あの男と一緒に居る。思考が止まる。

『どうしてここにいるんだ!』

叫んだ。

『君が悪いんだ!猫又を保護させず、その場から逃げた!あのセキュリティから、逃げた!ありえないんだ!すべてがっ!崇高な考えだとは思わないのか!

ねぇ!お父さんお母さん!』

『そうよ!こんなに素晴らしい考えに賛同できないなんて、勿体無いのよ!』

『そうだぞ!ミノの幸せを考えろ!保護してもらうんだ!』

『そんなこと思わない!ミノは、僕と一緒が幸せなんだ!』

『その猫又は、とても危険なんだ。渡してもらえるかい?』

別の男が後ろから話しかけてくる。

細く華奢な体だ。

その男に抑えられ、ミノを奪われる。

『ミノォォォ!』

あの男の手に渡されたミノは、眠った。

『なんだ、ちがったか。』

そういって、ミノを置いた。

2人の男は、去っていった。

出て行って少ししてから、ミノが、

『危なキャッタニャ』

と言った。しかし、続けて、

『もう、お別れだにゃ。もう少しすると、人を襲ってしまうにゃ。そうなる前に、山へ行かなきゃいけないんだにゃ。またにゃ。卓』

『行かないで、お願いだからさぁ、もうちょい一緒にいようよ』

(もう無理なんだにゃ)

『さよならなんだニャ』

そう言って去っていった。

僕の目からは、塩水の雨が降っていった。

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猫と過ごした夏休み パンメロン饅頭 @tal_gasc

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