怖くて悲しくて優しいモノ

とても良い物語が読めて幸せです。
毎日少しずつ読もうと思っていたのですが、あっという間に読んでしまいました。
物質世界では力を持たないようにみえる人形たちが女の子たちを揺さぶっていく所と、登場人物の触れたら壊れてしまいそうな感情や行動のディテールが印象に残っています。
押し込めてきた記憶が人形を通じて開け放たれ、怒涛のように溢れてゆく様は圧巻でした。物語の中で起こる不思議な現象以上に、今を生きる彼女たち、そして過去を生きた女の子の思いが物語のエネルギーを作り、人の不思議をあぶり出しているように感じられました。
この物語の中で彼女たちは大きく成長したように思います。