仲間は続くよいつまでも

うゆま@豆腐卿

仲間ってのはぁ…

中堅冒険者「昔、運良く魔獣退治したお陰で有名になった頃があってさ」

賢者「え、そんな事あった?」

中堅「あったの。中堅にはなれるくらいに。で、当時すごい冒険者グループに誘われたのさ。うちに来ないか?って」

賢者「ほう、引き抜きか。で、受けたの?」

中堅「最初は舞い上がってね…うん」


賢者「歯切れ悪いな」

中堅「正直高い評価受けて喜んでいたのだけどさ。ある一言で瞬時に冷めてお誘い断った」

賢者「勿体無い。で、その一言って?」

中堅「当時たまに組んでいた冒険者仲間を虚仮にされたのさ。あいつらとは君は違うからこそ我らと一緒に~ってな」

賢者「へぇ、それでどうしたん?」


中堅「杯に注いでもらっていた高級なお酒をその発言者にブッかけて金貨置いて帰った。おかげで暫くは干されたけどねー」

賢者「いやはや、清濁あわせのむのも成功の秘訣なんだがねェ…だが、それがいい。大事なものを馬鹿にされたら怒るのは当然だからね」

中堅「ま、出世コースばかりじゃないさ」


賢者「地道に冒険を続ける醍醐味もある、としておこう。ところで虚仮にされた仲間ってのは今どうしているんだい?」

中堅「目の前で酔っ払っているねぇ」

賢者「ン…?…あー…?…あー…アー、アー、アー…」

中堅「急に壊れるな。恥ずかしいのはこっちも同じだ」

賢者「不意打ちはイクナイゾー」


冒険者の生き方は星の数だけあれど、それが全うされる事など昼間の星のようにほぼないのである。だがどうせなら流星の如く、一瞬の輝きのように、誰かの記憶に残る生き方もまた良いのではないかと。明日は竜のエサか、祝杯か。分かりはせぬ、神は常に意地悪で残酷だ。だがサイコロは振れるのだ、と。


\マンドラゴラッ マンドラッ/

~(●▲●)~~(●▲●)~


仲間は続くよいつまでも


#とうふのたんぺんしゅう

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