エピローグ
その日の夜、夢を見た。
暗い暗い海の夢。月明りがゆらゆらと照らす海の底に、一つだけ沈んでいる頭蓋骨。寂しそうにぽつりと佇むそれの元に、銀色に光るくらげがやってくる。
くらげは頭蓋骨に触手を伸ばすと、まるで恋人にそうするように優しく抱きしめていた。長年の不在を責めるように、会えなかった時間を埋めるように、愛していると囁くように。
――エルダだ。
そう思った刹那、私は目覚めてしまっていた。目に沁みるような朝日の中、私は一人で泣いた。
私だって、あなたを愛していたのに。
elda すが @voruvorubon
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます