免罪符 🪶

上月くるを

免罪符 🪶




 カラオケデュエット『麦畑』の歌詞じゃないけど(笑)ずっと前から思ってたよ。

 商売を免罪符にすれば、なんでもOKで本当にいいの? 疼かないのかな、良心。


 たとえば書店という、この国の文化の一翼を担うべきはずの商い。($・・)/~~~

 かつては資産家が多かったので街中の一等地に店を構え、主は奥で威張っていた。


 版元や取次の営業マンはもちろん、ときにはお客さまにも横柄な態度で接し……。

 米店や酒店と同じく、街の商工会の顔役だったので、何事も大目に見られて来た。




      🏬




「坪単価何十万円かの貴重な平台や書棚に、売れない本を置かせていただいている」零細出版社として人間並みの扱いをしてもらえなかったケイコは内心で思っていた。



🟢新聞の読書欄に、あの手の本を「当店のベストセラー」として紹介していいの?

🟣その手の講演会にスタッフを派遣し、組織のトップの著書を販売させていいの?



 商売だからどんな本でも売る、たとえ組織買いでも大量に買ってもらえば上得意と公言して憚らない経営者の不見識&結果としての社会悪への加担を蔑んでいた。💦


 


      🌃




 力尽きたケイコが隙間産業を降りると、汚濁した戦後が間欠泉のように噴出した。

 巨悪の贄にされた方々の、筆舌に尽くしがたい苦難があらためて明らかになった。


 

 ――ごめんね、ごめんね。(´;ω;`)ウゥゥ

   同時代人として助けてあげられなくて。



 極めて深刻な社会問題を放置して来た世代の一員である自分をふくめ、組織票への利用を筆頭とする不徳に知らん顔を決めこむ無責任、今度こそ看過してはならない。

 


 

                   *連日、同種の投稿で恐縮でございます。

                    いま、どうしても書いておきたいので。

 

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