神は臀部に宿る

 あなたは「尻神様」と言われて何を思い浮かべますか?

 答えは人により様々だと思うのですけれど、しかし本作における正解を想像できた人はそう多くはないものと思われる、そんなぶっ飛んだコメディ作品です。

 どちらかといえば、可能な限りまっさらな状態で読んでいただきたいお話ですので、未読の方は先に本編をお読みいただくことをお勧めします。



〈 以下ネタバレ注意! 〉

 笑いました。
 いやいやそんな「尻神様」ってあります?

 まったく予想だにしない神様が出てきて、それがあちこちにものすごい利益をもたらす、現代もののコメディファンタジー。
 最初から最後までこのノリが一貫しているというか、なんならどんどん加速していく感じが最高でした。

 しかし冷静に考えると実はこれ、いわゆる人面瘡の一種みたいなもののような気もして、そう思うと実はほんのりホラー……では全然ないところがとても好きです。
 どうやってもギャグにしかならない系人面瘡。関わった人が基本みんな幸せそうなのも好き。

 語感から「拝みたくなるほどに豊満な尻の持ち主」的なものを想像した人や、「性描写あり」の記載に何かを期待した人などを、即刻地獄に叩き込んでくれる最高のコメディでした。
 叩き込まれました。良かったです。