子どもだから出来ること

@kurobito1412

子どもだから出来ること

俺は、高校2年の藤原 怜(レイ)。サッカー部に所属しており、いつもヤンチャなグループと遊んでいる。そして、バカなことをして楽しんでいる。周りからは問題児と呼ばれているかもしれない。だが、別にかまわない、むしろ嬉しいくらいだ。普通は、問題児扱いされるのは嫌だって思う人は沢山いると思う。

でも、考えてほしい。

バカなことをしても怒られるだけで済むだけなのは子どもの時だけだ。社会に出れば、ひとつひとつの行動に責任が伴い、時には人生が狂ってしまうこともある。

だが、子ども場合、行動に責任はあるが人生が狂るほどなことは滅多にない。

だから、子どものうちはバカなことをしたもの勝ちだと俺は思う。でも、俺は最初からこの考えで生きてきたわけではない。俺はあの出来事で、自分の考え方が変わった。あれは、中学2年のとき……


俺は、幼稚園からずっとサッカーをしていた。だから、中学でもサッカー部に入部した。

俺の中学校のサッカー部には面白いやつが集まった。とても、個性豊かで一緒にいて飽きない。俺はサッカー部に入ってよかったと思っている。最初はみんな緊張して喋れなかったが、日を追うごとに顧問の先生と言う名の共通の敵があるので必然的に仲良くなっていった。自分の学年は周りの学年より仲が良く、みんなで遊びに行くことが多かった。あと、学校でも友達が多くできてそこそこ楽しかった。そんな日々を過ごしていた。

この時すでに、俺は勘違いをしていた。


俺も面白い人なんだと……


中学には、年に2回生徒会の選挙がある。

今考えれば、生徒会の選挙なんてどうでもいい。生徒会長になったからって権限なんてほぼないに等しい。しかし、当時の俺は大切な選挙だと思っていた。

生徒会の選挙の目玉は、やっぱり生徒会長だ。

全校生徒から、選ばれた生徒会のトップが生徒会長だ。そして、この時期には前期の生徒会選挙があった。

その時、生徒会長に立候補したのは一年生の頃から生徒会に属していた中山 颯斗(ハヤト)先輩。あと、バイクに乗り夜中街を走り回っているヤンキーの小西 剛(タケル)先輩が生徒会長に立候補した。

中山先輩は1年から生徒会に所属していたことをを売りにし、その経験から得られた課題を改善していきたいという事を全校生徒の前で堂々と演説をした。小西先輩は靴下の色が黒、白、灰色しかいけない校則を変えてもっと色を増やすというような、生徒の興味を惹かすような演説をした。

結果から言うと、1年から生徒会に所属していた中山先輩が勝った。周りの人は、「そりゃあそうだ、不良なんかに生徒会長なんか務まるわけがない」と。俺も同じことを思っていたので、中山先輩に投票した。


結果が出たその日、サッカー部の練習が始まる前に、サッカーの友達と喋っていた。

その時に友達から、生徒会長どっちを選んだ?って言われたので、I年から生徒会にいた中山先輩だよって言った。

そしたら、友達が言った。


「お前って、面白くないな」


自分の中で何かが崩れるような感覚に陥った。

これまでの自分の考え方が否定されたのだ。友達が言う通り実際、不良に生徒会長をやらせた方が面白いに決まっている。なのに俺は、中山先輩を選んだ。この時、俺は面白い人じゃないと初めて認識した。自分の中で考え方が変わろうとしていたからなのかその日はずっと変な高揚感があった。


その夜、初めて自分がこれからのどうしていきたいのか、どう周りから見られたいのかと真剣に考えた。


次の日、俺は自分を全面に出した。別に、今まで出していなかったわけではない。ただ、自分がもっと生きやすく、もっと楽しく過ごせるように人間関係や行動を少しずつ変えていった。


これが俺の今の考え方になった始まりだ。

それからは、もう今までとは比べ物にならないくらい楽しかった。例えば、遠足で市役所の屋上から同学年の全員を撮ろうとして屋上から「はい、チーズ」って叫んで写真を撮って下に降りたら、先生が3人いて「ここがどこかわかってるのか!」ってえらく怒られたり、昼休みにグランドから全校生徒の前で好きな人に告白してふられたり、未成年だがカラオケで友達と深夜から朝方まで歌いまくったりするなど、どんどん毎日が楽しくなっていった。また、最近では怒れてる方が青春してる感があるなんて思ってる。

ほんとに些細な出来事だけど、俺からしたらとても大事な出来事だった。



この考え方が正解なのか間違いなのかはわからない。でも、今が楽しかったらそれでいい。




だって、子どもだもん!

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