その場のノリから始まる命がけの朝ごはん

 急な思いつきから、朝ごはんのための食材を命がけで獲りに行く勇者のお話。

 異世界ファンタジーもののコメディ作品です。
 いや、果たしてこれをただコメディと言い切っていいものかどうか?
 主人公自身は終始どこまでも大真面目で、そんな彼を笑ってはいけない気もしてしまう……のですけれど、でもやっぱり寝起きにステーキはおかしいと思います。
 というか、その一心だけで命懸けの火竜討伐に挑んでしまうのが……とんでもない……。

 その気持ちがちょっとわかる部分もあるというか、
「どうしてもアレが食べたい、アレじゃなきゃやだ!」
 みたいなときって実際ありますよね、というところがなんだか楽しいお話。

 ツッコミ不在の独特の空気感のまま、ずんずん進んでいく感覚が心地よかったです。