最後のテスト
7月15日
期末テスト初日
今日の科目は英語表現と日本史B。
完全なる暗記科目日だ
夏の暑さに絶望しながら家をでると
ちょうど隣の家からも人が出てくるところだった
「おはよう、楽くん。
今日はテストだね〜
宮くんは大丈夫かな」
「おはよう。
昨日はプールに来ていたよ
単語を2,3個読んで50泳いでを繰り返して
覚え方独特すぎて引いた」
「なにそれ面白い
ちゃんと身になってるのかな」
「いや無理だろ」
彼女とは幼馴染で家は隣
いつもは自分の朝練で一緒に行く機会は少ないが
テスト週間は登校が同じになる
というのもバスの本数が少なく
これの前は7時に着くし、後はテストに間に合わない。
バスに乗り込むと
涼しさに感動する
そこまで混み合ってはおらず
奥の2人がけの席に座る
「日本史の範囲平安ってざっくりしてるけど
この時代結構重たくない?
貴族の名前でしょ、文化とか」
「確かに大変ではあるね
資料集の10ページ確認した?
あそこから数問だすっていってたよ」
「やばっ忘れてた」
リュックを漁るとそのまま資料集に食いつきになった
-次は花の橋高校生前、花の橋高校生前-
「降りるよ」
「はーい」
気がついたら座れないほど乗っていたお客さんの多くは同じ高校生
ほとんどが降りた
下駄箱に着くと
人がほどよくいる
その中で宮の姿を見つけた
「お〜お二人ともおはよう
なんと徹夜明けの俺は超強いよ」
「おはよう〜暗記科目だもんね〜
私も慌ててバスで資料集読んだよ」
「え、資料集?待って、なにそれ」
どいつもこいつも先生の話を聞いてなさすぎだろ
青くなる顔の宮を置いて教室に向かう
「じゃあテスト頑張りましょう〜!
楽くんのおかげでいける気がする」
意気込んだまま隣の教室に入って行った
各々の席に着くと
周りはだいぶ揃っていた
友達同時で最終確認をする生徒
一人でもくもくと詰め込む生徒
テスト前でよく見る光景は中学校も高校も変わらない
「少し早いけど、今日はテストだからホームルーム始めるぞ」
担任の声とともに自らの席に戻っていく
こうしてテスト週間の1週間は長くも短くも
終わったのだった
土日で怒涛の採点大会を終えられ
週明けの月曜日には全ての科目が手元に返ってきた
大体90点前後がほとんど
3科目ほどが満点
「楽!やばいかもしれん
俺思いの外頭よかったかもしれん」
平均30点とかの世界だしな
なかなか満点って難しいな
「正直青点あたりを覚悟してたんだけどな
平均点、少し下あたりでいけてる」
「1年2回目のテスト1桁なんか取ったらさすがに引くわ」
「お祝いに部活帰りに飯でも食いに行こうぜ」
「もんじゃ」
「いつもの店な、大賛成だぜ」
テストの用紙をしまい
カバンを持ち席を立つ
部室に向かうため教室を出る
「そういえばメドレーのバック出る人で今日固定練習あるんだろ?そのあと引き継ぎの練習したいんだけど」
宮は忘れてた〜っとぼやいた
先輩もいるのに強いな
「もちろんいいけど、どうせなら通しもやりたいな」
「さすがに今日は全員揃うだろうし
やるか」
揃いも揃って真っ黒になりそうだなと思いながら廊下の窓から外をみる
真っ青な空と真っ白な大きな雲
典型的な夏の空だった
田野楽妖物双六~タノガクバケモノスゴロク~ 津々楽春人 @tomora
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