高校生だった頃

高校の時の日常

おさななじみの女の子強めに出さないこと



クーラーの効いた教室の中

ざわざわと制服を着た高校生が

男女とわず声が聞こえてくる楽しそうな時間だ


推しのアイドルグループが今夜の

音楽番組に出演予定とか


彼女の誕生日が近く、センスの感じられるプレゼントはなんだろうかなど


青春だなと感じる


俺は窓際の席で読書をしながら

心地よい雑音とともにクーラーの風を感じていた



「ガクさん?なぜ俺が目の前にいるのに

 1人でいるかのように振る舞うの??

 泣いちゃう」


一つ前の席、

椅子の背もたれを跨ぎこちらをみている


「次の授業、英語。

 佐藤先生のルール的に当たるのお前じゃない?

 どうせ予習してないんだろうな、大丈夫かな。

 必死にこの時間やるしかないよな、あぁ邪魔するのはやめてあげよう…って思ってたところだけど

自ら振り返ってくるのは予想してなかった」


「っ!え、せ、、さ、え、やばい!!!」


ガタガタと前を向いて慌ててノートの準備をしだした


そしてカタカタと半身をこちらに向かせ


「助けてください。予習済みのノートが、必要です。」


「ジュース奢ってくれる?」


ノートをひらひらとさせると

喜んでって大声とともにノートは誘拐された。


「また、宮くんは見せてもらってるの?」


ふわっと石けんの香りとともに右側から

女子が現れる


「きっと今回が最後だよ」


嫌味9割、希望1割で答える。


「それ一昨日も聞いた気がするんだけど〜」

「今回は部活が……」


宮は振り返りもせずごにょごにょと言い訳を返してきた


チャイムまで残り5分


「楽くんも今日部活なんだよね?

 大会近いけど、無理しちゃダメだからね」


少しかがんで椅子に座っている俺と同じ高さに目線を合わせられる


「無理しない範囲で頑張るよ。

 ありがとう」


「応援してる!

 水泳って疲れやすいスポーツだし

 足つって溺れちゃいそうだし…」


「それはダサ」


前の席で一生懸命写しているはずの

宮が肩を震わせながら笑っている


足を伸ばして、椅子の下を何度も蹴る


「ちょ、楽くん。書けない書けない」

「知らん。あと3分だぞ」


「そろそろ私は教室戻るね〜

 宮くんがんばれ!」


隣のクラスへとパタパタと走りながら帰っていった


「楽さん。楽さん。

 今日の範囲多くないですか?

 こんなにあったっけ?」


「あぁ、暇だったからだいぶ先まで進めてる。

 今日の範囲は2-5まで」


「写し終わってたわ

 先に範囲いってくれよな〜」


「授業中、聞いてないお前が悪いよ。」


ノートを丁寧に畳むと、体ごと振り返り

丁寧に両手で返してくれた


「ノートあざす

 ジュースはお昼に選びに行こうぜ」


「ココアの気分」


「どうせクーラーの効いていない外の自販機の前行ったらオレンジジュースとか言い出すんだろうな」


知ってるぜって感じのドヤ顔を決められたと同時に

教室にチャイムが鳴り響いた








授業が終わると昼休み

宮はカバンから出したお弁当を俺の机の上で食べ始める


俺はコンビニで買った楽しみにしていた新作のパンを広げる


「大会の前にテストとか鬼日程じゃない?

 練習できないの不利すぎる」


7月15〜20日まで期末テスト

7月28日が地区水泳大会が開催される


「別にプールに入ることは禁止されていないよ

 俺も毎日1時間は泳ごうと思っているし」


「そんな余裕俺にはないんだよ〜」


「日頃の行い」


絶望する宮だが、リレーのメンバーは同じなのでしっかり練習してほしい。


「楽は個人メドレーどうしたの?

 打診されてたじゃん」


もごもごと卵焼きを頬張りながら

飛んでくる質問


「結局出ないよ

 バッタ200とチームだけ」


「全部問題なくできる才能が羨ましいぜ」


「聞いてた?人の話。

 まだ俺たちは1年生。

 そんな必死に出る必要はないってさ

 先輩に言われた」


宮はうげーって顔して


「牽制だね、嫌だねぇ

 大人しく従うのは意外だわ」


「今の3年はめんどくさい感じしたから

 来年はきちんと出るよ」


「よっしゃ、じゃあ出る種目は目立ってやろうぜ

 メドレーも任せておけ」

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