第5話「魔法の始まり」

 はるか昔、かつて生息したと言われるドラゴンがこの地を支配していた時代。その中でも最強と言われ恐れられた一匹のドラゴンがいた。


 今は名も忘れ去られたそのドラゴンはある日、理由は不明だがとある禁忌を犯した。そのドラゴンはなんと、『神の使い精霊』達が住むと言われている『精霊の森』を『神の使い精霊』ごと焼き尽くしたのだ。


そしてそれにより『聖霊の森』は消滅し『神の使い精霊』達は全滅した……………………はずだった。


 その日、『神の使い精霊』達は考えた。ドラゴンの炎に焼かれながらも生きる為、必死に考えた。


 そして考え抜いた結果こう決断した……………『分裂』しようと。 


 『神の使い精霊』達は自分達が分子レベルに小さくなる事によって生き永らえようとしたのだ。


 そして『神の使い精霊』達は一人一人が百、千、万、億、兆、京、核———————になるまで分裂を繰り返し、ドラゴン炎に焼き殺さる前に逃げる事に成功した……………。


 しかし『神の使い精霊』達にとって想定外の問題が起こった。彼らは炎から逃げる為に『分裂』し過ぎたのだ。


 『分裂』した『神の使い精霊』達は余りに貧弱になり過ぎた。もはやこの世界に止まれないほどに。


 そしてその事に気づいた『神の使い精霊』達は焦りどうにか生き延びようとした。しかし時間だけが過ぎ体は日々弱って行くばかり、もうダメかと思われたその時彼らはある名案を思いついた。


 そうだこの世界の生物の体を借りよう…と。そう、この世界の生物の体に寄生しようと考えたのだ。


 人、魔物、草、木、虫、魚、ドラゴン、『魔族』以外の全ての生物に『神の使い精霊』達は寄生した。


 そうして寄生した『神の使い精霊』達は生き延び、寄生された生物は今までと変わりなく生活して行く………………かと思われた。


 しかし、またもや『神の使い精霊』達にとって想定外の出来事が起こる。なんと寄生された生物達は『神の使い精霊』の力が使えるようになっていたのだ。


 



 

 

 




 





 そして、これこそが後の『魔法』である。



 


 

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その者、元竜王につき パンテノール @PANTHENOL

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