最終話「光一の日記(5)」
二〇二五年六月六日
未来が変わった。
現在が——変わった。
姉さんも
もちろん、修正機関〈リライト〉の脅威が消えたわけではない。
自分が——
そして時を越えてやってきた夢月も。
だが、突きつけられた現在を乗り越え、未来を勝ち取った。
泣きついている姪をあやしてやって、涙目で彼女はロウソクの火を消した。
そして——笑った。俺の一番、見たかった笑顔だ。
パーティーの最中、夢月が引っ越ししようよとか言い出した。確かに、いつまでもチェアーで寝ているのはしんどい。この子のための部屋も作ってやりたい。それに、新しいプラモを置くスペースもあるといい。
こんな風に先のことを考えるのが楽しいと思えたのは、どれぐらいぶりだろう。
今は。そう、今だけは——
新たな未来を築けたことに、感謝しよう。
完
追憶の、ヨルワタリ 寿 丸 @kotobuki222
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