第2話 君との出会い

気乗りはしなかったけど、新歓に行ってみるかーとのことでさっそく会場となる飲食店の前までやってきた。


すでに20人くらいの新入生が集まっており、割と人気のあるサークルなんだと思った。


先輩たちが新入生1人1人に名前を聞いていて話をしている様子を見ると、すでに数回開かれている新歓だけに先輩たちに

「まいちゃん今回も来てくれたんだー嬉しいー!」

「もう、このサークル入ろうと思ってるんでー!」

「ぜひぜひ歓迎するよー!マジで今年の1年生かわいー」

などと言う声が聞こえてあーやっぱり場違いだったかもしれないと思ってしまった。


そうしてとまどっているうちに順番は来て

「おー!初めて俺らのサークルに来たよね?名前はなんていうの?」

「咲希です、よろしくお願いします」

先輩は名前を聞き

「じゃー、健と恵梨のテーブルにするかー!恵梨ー連れてってあげて」と流れるようにテーブルに案内された。


「恵梨です。法学部の3年です!咲希ちゃんよろしくねー!」

恵梨と言ったその先輩はすらっと背の高い美人で、笑うと笑顔がくしゃっとなる人だった。


いかにもサークルの華みたいな人で緊張してると耳元で「入るときちょっと怖かったでしょー、みんなイイやつなんだけどちょっと新入生にいいとこ見せたくてイキってんの、普段はもっと落ち着いてるのよ」と教えてくれて自分が萎縮してるのに気づいてくれたんだと嬉しくなった。


「あっ、でも私たちのテーブルは穏やかな人多いから安心してー、気楽におしゃべりしよっ」

と席に着くと黒髪でメガネの落ち着いた男の人と、明るめの茶髪で目がくりくりしてる男の子がいた。


その茶髪の男の子を見た瞬間、なぜか分からないけどこの人と仲良くなるような気がした。ぼーっとその男の子を見ているとニコッとこちらを見て笑っていて「あっ笑顔かわいい…」と思った。


「この黒髪の人が同じ3年のたけるねー、それでこの子が咲希ちゃんと同じで今日初めて来た1年生のさとしくん!」


「恵梨と同じ法学部の健です。よろしく。」

「あっ健は他の人に比べたら口数は少ないけどただ1年生としゃべるってことで緊張してるだけだから気にしないでねー」

「恵梨っ!それは恥ずかしいからやめろって」


という2人の会話を聞いて、あったぶんこの健さんは仲良くなったら結構しゃべってくれるタイプだなと感じた。ちょっと自分の性格に似てるかも…


「じゃあ次は聡くん自己紹介お願いできるー?」

恵梨さんがそう言うと聡くんは

「経営学部の聡です!出身は埼玉県です!」

「へぇー!経営学部なんだ!あそこ新設されたから頭いいよねー」

「いえいえー、そんなことないですよ笑でも第一志望だったんで受かってよかったです!」


えっまさかの同じ学部…経営学部は新設の学部だからまだ人数がそんなに多くないのに…


「じゃあ次は咲希ちゃん!」

「咲希です、私も実は経営学部です!よろしくお願いします!」

「えー!咲希ちゃんも経営学部?すごいじゃんー!仲良くなっときー!テスト前とか知り合い多いとマジでいいよー!」と恵梨さんが言う。

「僕まだ友達少なくって、もしよかったら仲良くしてくれたら嬉しいです!」

「こちらこそ、私でよければ仲良くしましょう!」


入学してから女の子の友達は出来ていたけど男の子の友達は初めてなので嬉しい…今日行くか迷っていたけどよかったかもしれない…!


思わず私は「れ、連絡先とか聞いてもいい?」と聞いた。

「もちろん!僕も聞こうと思ってた!」


まだ分からないけどこの子とはこれから仲良くしていきたいかも…



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君と会うために恋愛運取っておいたんだ 柴崎琴歌 @jam-choco

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