君と会うために恋愛運取っておいたんだ
柴崎琴歌
第1話 行くと決めたときから決まってた
大学生になったら絶対にリア充になってやるんだ…!
そう意気込んだのはよかったけど、なかなか現実は上手くいかないもので、ど田舎にあるこの大学ではキラキラキャンパスライフというのは存在しない。
この学校の雰囲気は好きなんだけどなぁ…
入学式から数週間、必修の授業で話せる友達は数人出来た。けれどもなんだか過ごしづらさを感じている。上手く自分から話を振れなくて微妙な反応になってしまう。みんないい子だから仲間に混ぜてくれているけどそれが逆にキツイ…
大学生になって自分の殻を破りたいなと思ったけど変に背伸びをしていたのかも…
「咲希ー!今日のアカペラサークルの新歓行く?萌達行くって言ってたから一緒に行こうって話になってて!」
アカペラかー…歌うことは好きだし行ってみたいけど今日は疲れちゃったなぁ…でも
「いいね!行こうー!誘ってくれて嬉しいー!」
あぁ…やっぱ自分に嘘ついちゃう
「よかったぁ、前回行ったんだけどマジで先輩たちいい人だよー!うち盛り上がったから先輩たちと二次会しちゃったー笑」
その話を聞いた瞬間「あぁ…これ完全に飲みサーのパターンじゃん」と頭によぎってしまった。
「結構イケメンな先輩多いよ!チャラそうだけどまぁ大学生なんてそんなもんでしょ」
「二次会は何したのー?」
「先輩がダーツ連れて行ってくれたー!教えてくれたとき距離近すぎてヤバかった」
こういうときにあぁ狙いにいってるなーって思ってしまう私は友達からするとお堅い印象らしい。
「春香気をつけなねー、初対面でいきなりそんな距離感近いのは危険だよー」
あくまで冗談ぽく言ったつもりだったが、春香には
「もう、心配しすぎだってー笑笑でもちょっとくらい遊ばれてもいいかなー」とか言うからたぶん恋愛の価値観が違うのだろう。
私はもっと1人の人に大事にされたいけどなぁ…あと、高校時代出来なかったような青春がしてみたい。一緒にいるだけで幸せだなーと感じる恋愛。
どこかに同じ考えを持った人っていないんだろうか。高望みすぎかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます