東の果ての人魚の国には、まれに人間が流れ着く

 東の果てにあるという人魚の国で、人魚の青年ふたりが流れ着いた人間を拾う物語。

 童話のような雰囲気が特徴の、いわゆる異世界ファンタジーです。

 人魚の国という設定に、明るく賑やかな性格の主人公。
 どことなくお伽噺を思わせるような空気感があって、なんとなく楽しい気分で読み進めるのですけれど、しかしそれだけでは終わらないところが特徴的な作品。

 好きなのはやっぱりキャラクター!
 主人公ラルフくんの賑やかさと、その親友シェイくんの淡々とした様子。
 両極端な性格のふたりによる、独特の掛け合いの様子がとても印象的です。

 総体としては明るく楽しい雰囲気の、でもだからこそ趣深い作品でした。