人を呪う仕草とそのツケ

 不快な行動のおかげでクラス中から嫌われている少年が、周囲に密かにかけていた呪いのお話。

 まさにホラーといった趣の、現代もののホラー小説です。

 以下はほんの少しだけネタバレを含みます。
 おそらく作品の面白みが毀損されるようなものではないとは思うのですが、一応ネタバレには違いないため、未読の方はご注意ください。



〈 以下、ほんのちょっぴりだけネタバレ(?)あり注意 〉

 独特の三話構成、特に前編から中編へのつながりがとても好き。
 『前編』で書かれた内容は実はそのまま手紙の内容であり、そして『中編』はそれを受け取った人の視点で進むところ。

 この、話が進むごとに視点が広がって〝何か〟の姿が把握しやすくなる感じと、そしてその分きっちり深刻さ(というか怖さ)が増していく感じ。
 まさにホラーを読んでいる、という感覚がたまりません。

 最初の『前編』ではまだ「ただの不気味なお話」にとどまっていたものが、段階を踏むごとに恐ろしいものへと変貌してゆくような。
 怖さを与えるための説得力と、なによりその飲み込ませ方が綺麗な作品でした。