絶対!天空都市八王子

@koonaka2002

「僕らの八王子」

二十年前「僕らの八王子」は802M浮いた。


正確にはキャトルミューティレーションされたんだ、街ごと


最初は宇宙人も人っ子一人ぐらいを攫うつもりだったみたいだが、うっかりスケールを間違えてしまったらしいそれに途中で気づいた宇宙人はクレーンゲームを空の上で止めてしまったみたいなんだ


そこから始まったんだ


八王子と大宇宙との交信が


そのおかげ長崎の出島のように、天空都市八王子はとてつもない独自の発展を遂げた。


・・・・・




・・・・・


「やっぱりいい街だろ八王子、な!僕はやっぱり八王子が愛だ。」


山田大五郎は今年から二年生となり、始業式の日クラス替えをして初めて会った交換留学生である314番銀河の第6番惑星フェルム星から来た、ガウル君に早々挨拶をしていた。


彼は日本語をあまり理解していないようだったので困惑していたけれど、八王子新愛教団の第一歩としては、グローバルな人物に話しかけたのは良かったように思う。


大五郎には野望があった大五郎の愛そのものである八王子の素晴らしさを伝えるための教団を作り、大五郎たちのことをバカにしてきた東京二十三下層みたいな肥溜めより、八王子の方が素晴らしいと信じるものを増やしてやるという夢が。




大五郎の通う市立山鳥中学は山の斜面に張り付けられたガムみたいにi字型に作られており、とても自然豊かだった。


いまは四月の上旬だというのに、目の前にある国立小宮公園からは様々な虫達のざわめきを聞き取ることができる。


高度が高いこともあってか著名なボクサーのランニングに立ち会えることもしばしばある。


そして何を隠そう、大五郎が八王子新愛教団の総本山としようとしている場所でもある。


「小宮総本山計画」この計画はまだ一人にしか言っていない。


その子は大五郎と同じ山鳥中の学生であり、今目の前にいるピンク髪にランターンみたいな触覚を持った目の大きい、地球人とミル星雲第51番銀河アラビカ星人とのハーフの女の子美由茶ビュティーである。


二十年前の人々は大渋滞とも思うかもしれないが事実だ。


「大五郎君また八王子を布教していたらしいね!」学校からの帰り道純な顔で目をしっかり見ながらビュティはそう言った。


「八王子は俺にとって愛だ、お前も教徒第一号としてしっかり布教してくれよな」


「布教はしないよ、布教をするのは教祖であるあなたの仕事、私たち{}教徒はコーヒーに付随するソーサーのようなもの、つまり見ているだけそれが仕事なの」


「思想があるのは良いことだが、つまらなくないか」


「布教をするのも確かに面白そうだけれど、私がやるよりあなたがやった方が面白くなりそうっていう事くらいはわかるよ」


「そうか」そんな会話をしていると彼女の帰り道の通りすがらにある僕の家につき別れの挨拶を済ませ帰宅した。


それから次の日の放課後大五郎とビュティはついに第一の活動を始めた、それはクラスメイトの身辺調査及び東京23下層から移住してきた民の確認だ。


別に東京23下層から来たやつがいるからと言っていきなりそいつをぶっ殺してやろうとはならない。


むしろその逆で積極的に教徒にしたいと思っていた。


なぜなら、敵の情報を聞くには昨日まで敵だったものに聞くのが効率的だと大五郎は考えたからだ


しかも大五郎は戦争は戦争しか呼ばないことを知っていた。


極力戦いなんてしたくなかったんだ、


そうして放課後の教室ホームルームの直後クラスメイトに聞きまわっていた。


4、5人に聞いていると一つ有力な情報が舞い込んできた、クラスメイトには東京下層出身者はいないが


この学校に一人しかいない音楽の教師で学年主任である、芦尾美千男先生は23区のどれかに在住していたことがあるというものだった。


さっそく職員室に聞きに行こうかと思ったが、ほかの教師にバレるのはあまり進まなかったので、南側にある正門で彼を待つことにした。


ビュティによると、彼は軽音部の顧問で部活のある日はいつも六時くらいになるそうだ。


僕も一年生のころから音楽の授業を見てもらっているが出身地などは聞いたことがなかったので、彼の過去を聞くのが少し楽しみではあった。


そんなことを考えながら待っていると彼は来た、割とラフな格好で黒と赤の台風のような柄のtシャツにジーパンというなんとも一般的男性の格好だったので一瞬見逃しかけたが特徴的な顔立ちだったのでわかった厳密にいうならばクレオパトラのような鼻を彼は持っていた。


「すいません、芦尾先生」明朗快活に言った


「なんだ二組の山田か」


「単刀直入なのですがあなたの出身地を教えていただけませんか」


「東京都大田区だがそれがどうした?」


「おkです、ならば芦尾先生私たちの教団に入会していただけませんか?」


「何の話だそんなものには入らん、なんだ最近流行りのお遊びかそれは?」淡々と少し笑いながら言った。


「お遊びではないのです」


彼は特に振り返ることもせず笑みを消し首をかしげながら帰っていった。


「大変だけど、僕たちの計画を知られてしまったからには彼を殺さなければならない」


「そうだね残念ながら」ビュティは蜂が舞うみたいにうなづいた


計画変更「八王子のクレオパトラMurder計画」が始まった。


大五郎たちは本当は戦争などしたくはない


これは本当だ


だが東京23下層から来たやつにコケにされたままではいけないのだ。



















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